2回目となった大人気のキルト
フェスティバルとクラフトツアー
去年に引き続きこのキルト展をメインイベントとして京都、東京とクラフトツアーを開催しました。
今年はキルトだけに捉われず、色々と体験型クラフトを楽しみました。
コロナウイルスの件で大変な日本でしたが、皆さんは病気になることもなく、無事にハワイに戻ることができました。今年もこのツアーを紹介いたしますね。
今年も毎年東京ドーム開催されている、東京国際キルトフェスティバルに行きました。この開催中は約1週間の間、約250万人が訪れるという、世界でも大きなキルト展です。今年で19回目、多くの受賞キルトやフレンドシップキルト、特別展示キルトなどがあります。また、多くの手芸店、生地屋、ミシンのデモンストレーションなどもあり、手芸の大きな祭典でもあります。
伝統的なパッチワークキルトを始め、モダンなコンテンポラリーキルトもありました。今年の大きなテーマパークはブレーメンの音楽隊で、楽しい世界が広がっていました。イギリスのキルターズ・ギルドも見応えがありました。ものすごい人でしたので、なかなかゆっくり1枚1枚を見ることができませんでしたが、毎年本当にすごい作品が飾られていて、製作意欲を掻き立てられます。ハワイアンキルトがほとんど展示されていないのが実情で悲しいですが、もっともっと伝統的なハワイアンキルトを展示していただけるようになればと願っています。
ブースのあちらこちらで簡単な体験レッスンなどを行なっています。さくらほりきりでは、木目込み人形と同じ手法で、パッチワークキルトを作っています。こちらでさっそくミニレッスンを受けてみました。ハワイに戻ってきても作品を作れるようキットまで買ってしまいました。
去年同様、毎月21日は京都、東寺のフリーマーケットが開催されるので行程に入っていました。地元のお客様を始め、今では外国からのお客様に大人気の東寺フリーマーケット。去年このフリーマーケットのお話をしましたが、とてもありがたい意味のあるフリーマーケットです。今年は少し時間を長くとったので、皆さんとても楽しくお買い物をされたと思います。かなり寒い朝でしたが、お天気には恵まれました。私は暖かい甘酒を飲み、一息入れながら楽しみました。フリーマーケットでは藍染の生地で作られたバッグやポーチ、着物に使われた生地を使った洋服、パッチワークで作られたポーチ、干し柿や干し芋、お茶やお菓子、京都のすぐき(漬物)など、幅広くたくさんのお店が所狭しと並んでいました。毎年、1年のはじめの弘法さん(フリーマーケット)なのでとても縁起が良く、気持ちのいい1日となります。
そして錦市場でランチをした後は、西陣織会館に行き、手織体験でテーブルセンターを作りました。よく見る織り機を使い、手で糸を横に入れ、足で踏んで糸の入れる場所を変えるという、いわゆる織物を作らせていただきました。単純な作業ですが、これは本当に楽しかったです。使わせていただいた糸はコットンでしたが、西陣織は絹糸を使い、あのように素敵な帯などを作ることができるのですね。うちのグループはクラフターなので、皆さん何事もなかったように、素晴らしいスピードで素敵なテーブルセンターが完成しました!
そして今回はねりきり細工体験をしてきました。3種類のねりきりを作るのは結構大変でしたが、おままごとみたいに楽しい作業でした。さくらくずし、おとしふみ、つゆくさと3種類は作り方もすべて違うので時間を忘れるひと時でした。江戸時代には京都で茶の湯が本格的な最盛期を迎え、それとともに砂糖を使ったお菓子が生産されるようになりました。この頃、現在でも食べられている甘味が作られ今に至っているそうです。京都では茶菓子に贅を尽くすした工夫がこらされるようになり、製菓技術が飛躍的に伸びたとのことです。この茶菓子が今の京菓子になったそうです。ディナーの後のデザートに皆さん楽しまれたと思います。
2日目は京友禅のワークショップです。去年はハンカチでしたが、今年はトートバッグのステンシルをしました。少し大きいキャンバスだったので、たくさんステンシルできたのですが、なかなか時間がなくここまでが精一杯でした。素敵な作品を毎回作るのは嬉しいことです。
ステンシルの後は、Sou Souという和風アパレルのお店に行き、ショッピングタイムとなりました。そして今度は京象嵌を作りに京都ハンディセンターまで行きました。京象嵌とは聞き慣れない言葉でしたが、デモンストレーションをやられている職人さんを見て、よくわかりました。
細かい作業ですが、こつこつを好きなキラキラを小さい丸い鉄に乗せていくという作業です。完成は数週間後にハワイに送ってくださるので、見るのが楽しみでした。ストラップやネックレスにしてくれます。
東京では小津和紙で紙すき体験をしました。これが一番難しかったです。2回トライしてもできないくらいです。先生に手伝っていただき、やっと和紙が完成するという相当のスキルが必要だということがよくわかりました。ハワイのタパで使われるワウケの木と同じクワ科のこうぞという植物が原料です。資料館ではそのような歴史なども教えてくれます。伝統的な和紙の作り方をみると感謝の気持ちが湧きますね。素敵な体験となりました。
東京では日暮里の生地の問屋街や手芸屋、また上野まで移動しアメヤ横丁なども行き、楽しいクラフト&ショッピングツアーとなりました。来年もさらに素敵なクラフト体験をリサーチして、ハワイのローカルの皆さんを日本へお連れできたらと思っています。
今年は私も病気にならずに元気にハワイに戻って来ることができました。
By アン
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筆者プロフィール
- アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。
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