アローハ!

今年もすでにハロウィーンが終わってしまい、今月末は感謝祭そしてその一ヶ月後はクリスマスという年末になり、2024年も終わってしまいそうですね。

イオラニ宮殿の日本語ツアーは現在毎週水曜日と木曜日の午後3時30分から開催しています。私の担当は第二、第四水曜日のツアーとなっています。

そして11月16日はカラカウア王のお誕生日です。この時期、イオラニ宮殿はハワイ州の旗とロイヤルスタンダードというカラカウア王の旗の装いです。今日はイオラニ宮殿青の間のキルトのご紹介をいたしましょう。

カラカウア王お誕生月のイオラニ宮殿

カラカウア王お誕生月のイオラニ宮殿

イオラニ宮殿内を見学するためには、ツアーに参加していただくことになります。イオラニ宮殿の1階は公式の場で、大広間にはイオラニ宮殿の象徴であるコアの踏み板で作られた大階段、数々の式典や舞踏会が行われた王座の間、お茶会やレセプションが開催された青の間、海外からのお客さまなどを招待し食事会が行われた聖餐の間があります。青の間は聖餐の間とコア材のポケットドアで仕切られており、ハワイ王国第7代カラカウア王と第8代リリウオカラニ女王の大きな肖像画が飾られています。

イオラニ宮殿、青の間

イオラニ宮殿、青の間

カラカウア王の肖像画 Courtesy of Iolani Palace

リリウオカラニ女王の肖像画 Courtesy of Iolani Palace

1893年にハワイ王国が滅亡後、新しい政府により宮殿内の椅子や家具を始め、お金になるものはすべて売り払われてしまいました。今の青の間にある椅子なども全てなくなってしまいました。その後ハワイ州庁舎が完成した1969年に政治のすべてはイオラニ宮殿から州庁舎に移行し、その後フレンド・オブ・イオラニが中心となり、イオラニ宮殿の復興が進み、1978年に一般公開が始まりました。その間、売られてしまった家具や椅子などを求めるため、オークションなどで買ったり、寄付を募ってもらったりと色々な方法で現在のイオラニ宮殿の内装が復興しています。青の間の椅子などもすべて見つかったわけではないですが、ほぼ見つかったものは、当時と同じ生地会社より購入し、昔の様に塗り替え、現在の形になっております。背もたれの部分もゴールドの塗装で昔のままの椅子をそのまま再現しています。

青の間のオリジナルの椅子(張り替え、塗り替えされています)

青の間のオリジナルの椅子(張り替え、塗り替えされています)

この青の間には他に、当時のイギリス王国、ビクトリア女王即位50周年のゴールデン・ジュビリーのウェストミンスター寺院での式典が描かれた絵が飾られています。ハワイ王国のカピオラニ王妃と王の妹リリウオカラニ王女ということで式典の中でも最も重要な人物の一人としてとして手厚く迎えられました。この絵にはお二人が最前列に参列されている様子が描かれています。他にカラバッシュに色々な細工がされているものが飾ってあります。またこの部屋のシャンデリアはオリジナルのものです。ピアノはカラカウア王朝のものではないですが、譜面台に素敵なデザインが入っています。

青の間のカラバッシュ

青の間のカラバッシュ

譜面台が素敵なピアノ

譜面台が素敵なピアノ

青の間のシャンデリア

青の間のシャンデリア

これらの要素をすべて入れ、デザインしたのが青の間のキルトのデザインです。青の間の色である、ロイヤルブルーを下地にゴールドをイメージしたゴールデンロッドという色を使っています。重厚な青の間そのままの色使いにしています。デザインにはドアのフレームの上に掘られた百合や唐草の模様、カラバッシュ、そして青の間の象徴でもある青の椅子の背もたれに描かれた葡萄のデザインを描きました。これに命を吹き込んでくださったのがキルターの方です。いつかこの青の間に飾ってみたいです。

青の間のキルト<br />Design by Anne’s Hawaiian Quilt, Quilted by AyakoTsuchiya

青の間のキルト
Design by Anne’s Hawaiian Quilt, Quilted by AyakoTsuchiya

ドアのフレーム

ドアのフレーム

テーマがあって描くデザインはすいすいと描くことができます。長いこと毎週観察していた場所だと描きたいことが山ほどあり、その中から抜粋するのも大変な作業でした。他の部屋のキルトのデザインもありますので、追ってお伝えしていきたいと思います。

アン

イオラニ宮殿

日本語ツアーは毎週水曜日、木曜日の午後3時半から

https://www.iolanipalace.org/visit/tours-admission/guided-tours/

ロイヤルコネクションと日本ツアー(日本語)

水曜日の午後1時15分から

https://www.iolanipalace.org/visit/tours-admission/hawaii-royal-connection-japan/

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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