アローハ!

ハワイも夏本番です。街路樹から公園から、あらゆるところで花が咲き始めました。シャワーツリーを始め、プルメリア、モンキーポッド、バターカップツリー、アフリカンチューリップ、ブーゲンビリアなどなど。。常夏のハワイでも夏にしか咲かない花もあり、今が一年中で一番きれいな季節だと思います。今日はその中でもハワイの夏の代名詞でもあるシャワーツリーをご紹介しましょう。

レインボーシャワーツリー

みなさんがワイキキのカラカウア通りの街路樹としてよく見られるのはレインボー・シャワーだと思います。黄色と朱色のグラデーションになっている花です。毎年5月くらいから咲きだし、7月には満開になります。花はとても小さくたくさんの花を付けます。風が強い日は小さな花びらがあちらこちらで花吹雪のように散ります。色は違いますが、日本の桜が散る時のような、とても綺麗な光景です。私は花の多いこの時期が大好きです。この時期のレインボーシャワーを忘れないようにと描いたパターンが「シャワーツリー」です。レインボーシャワーの色のようにオレンジと黄色のコンビネーションにした大きなベッドカバーは、まさに夏のハワイの代名詞です。花の芯には刺繍を施し、一目見ても「シャワーツリー」とわかるようにキルティングしました。ベッドカバーも季節によって変えられるように何枚も制作するのがいいかもしれません。ただ、大きなベッドカバーは2m角なので、思うように完成はできませんね。1年に1枚作れればいいので、一生の課題となるかもしれませんね。季節感のないハワイでは季節を感じられるキルトを飾るのは素敵なことかもしれません。

レインボーシャワーツリーを描いたベッドカバーのキルト Design by Anne’s Hawaiian Quilt, Quilted by Sawako Igarashi

シャワーツリーの文字の刺繍を施しました

実はレインボーシャワーはピンクシャワーとゴールデンシャワーとのかけ合わせでできたハイブリッド種です。花の色がグラデーションになっているのがとても特徴的で、濃いオレンジの部分と薄い黄色の部分などがあり、とても印象的です。シャワーツリーはマメ科の植物なので、サヤが下がります。ですがこのレインボーシャワーはそれが付きません。カラカウア通り、キングスストリート、ハワイ大学などありとあらゆるところで見ることができるレインボーシャワーですが、そのなかでも「ウィルヘルミナ・テニー(Wilhelmina Tenney)」と呼ばれるシャワーツリーは、以前キャッスル&クック社社長であったエドワード・D・テニー(Edward D. Tenney)さんの娘さんの名前から名付けたそうです。1920年頃から植えられ、その木から株分けしたものを植物園の初代ディレクターであるハロルド・ライオン博士(Dr. Harold Lyon)に贈られたそうです。この木は今でもフォスター植物園で見ることができます。この木は1965年にホノルル市の木に指定されました。落ちると掃除が大変なサヤがつかないこともあり、ホノルル市のあちらこちらの街路樹に使われています。

レインボーシャワーツリーの花

カピオラニ公園ではレインボーシャワーやゴールデンシャワー、イエローシャワーの木を見ることができますが、ピンクシャワーはほぼ見れません。

いろいろな情報を聞きながら、あちらこちらに行ってみました。昔はフォスター植物園のパーキングの入り口付近のちかくにはあったと思っていたのですが、見つからなかったので、カハラエリアのゴルフコースの近くまで行ってみました。そこでようやくピンクシャワーを見つけることができました。シャワーツリーは10mくらいもある高木なので、花の写真を撮るのがなかなか難しいですね。探している植物が見つかるのは本当に嬉しいです。皆様も真夏のハワイで探してみてください。来年の夏にはかならずハワイにいらしてくださいね。

ゴールデンシャワーツリー

イエローシャワーツリー

ピンクシャワーツリー

以前に日本の花で、20cm角のポットホルダーのシリーズを1年に渡り作成しました。今年はシャワーツリーに影響を受けたので、ハワイの花で1年間のシリーズキルトを作成してみたくなりました。おうちの中に常時、花のキルトを飾っていると幸せな気分になりますね。

花をめぐるトレッキングやウォーキングをまた始めようと思います。

日本もだんだん暑くなってきていると思いますが、熱中症にならないように、みなさんも夏の花を楽しんでくださいね!

日本の花のサンプラーズキルト Design by Anne's Hawaiian Quilt Quilted by Akiko Goto

 

アン

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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