日本で今治のタオル美術館に行って来ました!

昨年日本でのレッスンの合間に、今治のタオル美術館を訪れました。
今治はタオル作りで有名とは聞いていましたが、初めてのタオル美術館なのでとても楽しみにしていました!タオルを作っているところや、いろいろな展示があり盛りだくさんの美術館でした。

タオル美術館

タオル美術館

今治タオルの歴史を少しリサーチしてみました。
四国の温暖な気候の中で今治は江戸時代より綿栽培が盛んでした。1801年頃には九州の絣織物を手本とし、染めと織に手間のかかる高価な「伊予絣」が誕生しました。一方江戸後期には、農家の副業として発達した「伊予木綿」が全国的に広がり、今治は綿織り物の一大産地となりました。その後明治時代には他の産地から安い木綿製品が全国へと出回るようになったため、伊予木綿は徐々に衰退していきます。その後、綿織り物の伝統を引き継ぎ考えられたのが「綿ネル」です。1897年にはこの綿ネルが広まり、今治の繊維業が再び脚光を浴びることになりました。さらに1910年になると他の地域で始められていたタオルに可能性を感じ、今治でもタオル作りを開始しました。その後新たなタオル綿機が考案されたことで、生産性が飛躍的に向上し、現在の「今治タオル」ブランドが作られました。綿ネルからは120年以上の歴史を誇る産業だということがよくわかります。
美術館では、タオルを作る機械の紹介から始まりました。
各機械の前には説明が紹介され、わかりやすくタオルの製造ラインを見ることができます。
最後の機械ではタオルの地模様を見ることもでき、すごい量のタオルが生産されているのがわかりました。

美術館のタオルを作る機械の紹介が事細かに展示されています。(本当に作られている様子が見れます)

美術館のタオルを作る機械の紹介が事細かに展示されています。(本当に作られている様子が見れます)

 

 

 

 

 

常設展として「ムーミン谷へようこそ」があります。ムーミンのタオルの他、九谷焼や有田焼とコラボレーションした作品なども多く展示してあります。タオルアートもものすごく精巧にできていて、タオルとは思えないようなアートの世界でした。また近くには砥部焼という240年もの歴史をもつ焼き物の産地もあります。この砥部焼はぽってりとした白い肌合いと呉須(青色)の染付が有名です。
「とべりて」という女性のグループが砥部焼を紹介するということでムーミンとのコラボレーションをした作品もたくさんありました。壁かけ、ドアにつけるリースなど、たくさんのアイディアの詰まった作品を楽しむことができました。

ムーミン谷へようこその常設展、絵に見えるムーミンの大きなタオルアート

ムーミン谷へようこその常設展、絵に見えるムーミンの大きなタオルアート

ムーミンの物語も実物大で見ることができます

ムーミンの物語も実物大で見ることができます

焼き物とムーミンのコラボレーション

焼き物とムーミンのコラボレーション

とべりての皆さんの作品も素敵でした

とべりての皆さんの作品も素敵でした

とべりての皆さんの作品も素敵でした

実はこのタオル美術館に行く前に、砥部焼の里に連れて行ってもらっていました。淡い青の染めがとても気に入り、お店では何を買うか迷うばかりでした.
他窯の磁器と比較して頑丈で重量感があり、ひびや欠けが入りにくいという特徴があります。夫婦喧嘩で投げつけても割れないという話から、別名喧嘩器とも呼ばれているそうです(笑)。 砥部焼の多くは手作り成形のため、全国的に見ても決して大産地ができないようですが、独特の風合が評価され、讃岐うどんの器によく使われているようです。私もいくつか買ってきました。素敵なお土産となりました。

砥部焼の里に行ってきました

砥部焼の里に行ってきました

砥部焼の里に行ってきました

砥部焼の里に行ってきました

美術館に戻りますが、タオルのチーズ巻糸というすごい壁もありました。そして廊下もありました。実際にタオルの綿機に使われるチーズ巻糸は約200色が染められ、1800本を壁に展示してあります。綿と同じ素材であっても染め分けることでそれぞれ異なった表情になり、温かみのある不思議な空間を醸し出している壁でした。

タオルのチーズ巻糸が壁一面です

タオルのチーズ巻糸が壁一面です

タオルチーズ巻糸がフロアにも。。

タオルチーズ巻糸がフロアにも。。

他は独創的な俣野温子さんのタオルアートの展示や、季節ものの仮屋崎省吾さんの世界展などの展示が目白押しです。
タオルの販売、レストランやカフェなども併設されているので、長い時間楽しめます。私は叔母夫婦に福山から連れて行ってもらいましたが、しまなみ海道も初めてドライブしたので、とてもリラックスした1日となりました。

俣野温子さんのタオルアートも素敵です

俣野温子さんのタオルアートも素敵です

假屋崎省吾さんの世界展も印象的でした

假屋崎省吾さんの世界展も印象的でした

By アン

今治タオル美術館
〒799-1607 愛媛県今治市朝倉上甲2930
営業時間:9時30分から18時
http://www.towelmuseum.com(休館日はサイトをチェックしてください)

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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