アローハ!

前回に引き続きハワイ主要8島の花と色についてご紹介しましょう。
今回はオアフ島の花であるイリマについてお話しさせていただきますね。

オアフ島の花イリマ

ハワイ州の首都ホノルルがあるオワフ島は、ハワイ州の人口の約80%が生活をする経済の中心です。そして観光地としても最も有名です。主要8島の中では3番目に大きな島であり、オアフ島の花イリマは王朝のシンボルの花です。特徴は花の直径が約3cmほどで、花びらが薄くデリケートな小さい花です。また、イリマはハワイの固有種で色はイエロー、ゴールド、オレンジイエロー、渋みを含んだ黄色などもあり、花びらは5枚あります。
ワイキキビーチなどではなかなか見かけませんが、市街地から少し離れた海岸線辺りに這うように生息しています。そのイリマの花の色がオアフ島の色に指定されています。

イリマの花

イリマの花

 

イリマのレイは花びらを何千も使ってつくる貴重なレイのため、ある時期は王族しか使うことが許されませんでした

イリマのレイは花びらを何千も使ってつくる貴重なレイのため、ある時期は王族しか使うことが許されませんでした

ハワイ諸島8島では、最初にイリマのデザインでクッションを描きました。小さい可憐な花なので、デザインが細かく難しくなりました。葉はリーフパイのような形をしているので、ギザギザと丸い感じのコンビネーションが一段と難しいデザインになりました。最もポピュラーなオアフ島の花なので、キルターには是非一度は作っていただきたいデザインの一つです。私のクッションのように黄色の濃淡を使うとより本物に忠実ですが、色々な色の組み合わせも素敵なハワイアンキルトになります。

初めに描いたイリマのクッションのデザイン

初めに描いたイリマのクッションのデザイン

そして2枚目に描いたのはイリマのベッドカバーです。クッションとは違い大きなキャンバスに描くイリマはもう少し入り組んだデザインにしないと面白みのないキルトになってしまいます。イリマの花と葉に加え、イリマのレイをデザインに入れてみました。飾りキルトが複雑になり、完成するのに時間がかかりますが、多くのキルターの方々がイリマに挑戦してくださっています。素晴らしい大作がたくさん完成しています。

イリマのデザインのベッドカバー(2mx2m) Quilted By Hitomi Hirata

イリマのデザインのベッドカバー(2mx2m) Quilted By Hitomi Hirata

ハワイアンキルトの大きさはクッションが1番人気ですが、クッションを2-3個完成させたら、少し大きなサイズに挑戦してみるはいかがでしょうか?次のキルトの大きさは1m x 1mのウォールハンギングくらいが妥当だと思われます。このくらいのサイズを完成できるようになったら、その次は長方形のベビーキルト(1m x 1.3mくらい)ですね。どちらも作りやすい大きさなので、ぜひトライしていただき家で飾っていただきたいです。
やはり黄色を使ってのイリマの作成は人気があります。
また、本物の植物を見てからのキルト作りは進み方が全然違います。特に飾りキルトという花の中のキルティングは、実際の植物をを思い浮かべながら進めると素晴らしい出来上がりになります。
次回のハワイ旅行では是非イリマを探すことにもトライしてみてください。約2年振りに日本からハワイへの旅行が可能になりそうですから、楽しみにハワイ旅行を計画されてください!

イリマのウォールハンギング(1m x 1m) Quilted by Mihoko Ichinohe

イリマのウォールハンギング(1m x 1m) Quilted by Mihoko Ichinohe

イリマのベビーキルト Quilted by Yukiko Unehara

イリマのベビーキルト(1m x 1.3m) Quilted by Yukiko Unehara

私のデザイン以外のイリマのデザイン作品は一度も作ったことがないのですが、あまりハワイではイリマのデザインには巡り会えません。難しいデザインですが、ハワイアンキルト作りは想いを込めて一針一針ちくちく進めます。完成には途方もなく時間がかかりますが、
完成した時の達成感は言葉では言い表せないくらい素晴らしいものです。
その瞬間を楽しみに、少しずつ進めてくださいね。

アン

7月に発売になった「ハワイアンキルト ―パターンとステッチの魅力」好評発売中!

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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