ハワイの小さな町シリーズの8回目は、ハワイ島ノース・コハラの小さな町をご紹介しましょう。ノース・コハラはハワイ島の北西、地図で見るとハワイ島の左上に、ぴょんと海に突き出ている場所です。海を見渡す気持ちのいいハイウェイをドライブして、ノース・コハラの小さな町へ行きましょう!
今回ご紹介するのは、ノース・コハラにあるハヴィとカパアウです。ハヴィもカパアウも、今までご紹介したネイバーアイランドの町の中でも小さい町だと思います。どちらの町も、道沿いに十数件のお店が並んでいる所がメインストリート。ポロル渓谷への通り道でもあるので、メインストリートには観光客向けのレストランやショップもありますが、それでも静かな町という印象です。
ノース・コハラは百年以上にわたって砂糖産業が盛んでした。地域の製糖会社が1970年代に閉鎖し、サトウキビ農業も廃れてしまいましたが、サトウキビ・プランテーション時代に作られたコハラ山脈から続く長い長い灌漑用水は、修復されて現在も活用されています。また、この2つの町はカメハメハ大王ゆかりの地として、古代ハワイからの歴史が残る場所でもあります。
カイルア・コナ方面から海を眺めながらノース・コハラをドライブして行くと、先ず到着するのはハヴィです。今回ご紹介するハヴィとカパアウは、よく似た印象を受けますが、どちらかと言うとハヴィの方がレストランなどが多く、少し賑やかかな、と思います。近年はノース・コハラに移り住むアーティストも多いようで、アート・ギャラリーも見かけました。とは言えハヴィの中心地はとても小さいので、端から端まで歩いても5分くらい。プランテーション時代に建てられた建物は、なんとなく西部劇に出てきそうな感じがします。レストランの飾り窓に残る古いディスプレイは、ノスタルジックな雰囲気です。
ハヴィでは、ファーマーズ・マーケットも開催されています。以前に私が訪れた時は、町の広場で小規模なマーケットを開催していましたが、次第に賑わってきているようです。そう言えば、この広場でコハラ・カントリー・フェアを見学した事もあります。木の下で演奏するミュージシャンの音楽を、みなさん各自のピクニックチェア(中には普通の椅子も)に座って楽しんでいる、のんびりしたお祭りでした。
カパアウはハヴィのすぐ隣の町です。ハヴィのメインストリートからカパアウのメインストリートまでは、車で3分ほど。あっという間に到着します。カパアウはハヴィよりも更に小さな町、という印象を受けるでしょう。
この小さなカパアウを訪れる観光客の多くは、カメハメハ大王像を見にくる人々に違いありません。ハワイにあるカメハメハ大王像は3つ。オアフ島のホノルルと、ハワイ島のヒロ、そしてカメハメハ大王の生誕地であるノース・コハラのカパアウにあります。カメハメハ大王像は、イタリアのフィレンツェで製造されましたが、海上輸送の途中で船が沈んでしまいました。しかし鋳型が残っていたため、二つ目の大王像が作られホノルルに建立されました。その後、沈んでしまった一つ目の大王像が奇跡的に引き上げられ、カパアウに置かれる事となったのです。カパアウのカメハメハ大王像は、実はオリジナルである、というわけですね。
カメハメハ大王の生誕地と言われる場所は、ハヴィの北西です。カメハメハ大王が誕生した時、彼がハワイの支配者になるであろう、という予言があり、これを快く思わなかった首長の一人によって、殺されそうになった、と言われています。生まれたばかりのカメハメハ大王は、その存在を隠される事になりました。カメハメハ大王は幼少期をノース・コハラの終点、ポロル渓谷の奥地で育ったとも言われています。
カメハメハ大王の生誕地の近くにはモオキニ・ヘイアウがあります。ヘイアウとは、古代ハワイの寺院です。モオキニ・ヘイアウはハワイの中でも、最も古い歴史を持つヘイアウの一つであり、現在もハワイアンにとって大変神聖な場所です。
この2つの場所へ行くには、未舗装路を通らなくてはいけないこともあって、私は行った事がありません。代わりに近くのウポル空港へ行ってみました。海を臨むウポル空港は、とても小さい空港です。風に吹かれながら、しばらく空港越しの海を眺めていましたが、発着する飛行機はありませんでした。
ハヴィもカパアウも、穏やかでゆっくりとした時間が流れているような感じがします。プランテーション時代の建物を眺めながら、のんびり散策するのがいい場所です。
さて、以前カパアウには素敵な古書店がありました。そこで半世紀以上前のハワイの鳥類図鑑を見つけたことがあります。少し高価だったので、だいぶ迷った末に「次に来た時にまだあったら買おう」と思ったのですが、古書店は閉店してしまいました。今でもちょっと後悔しています。
筆者プロフィール

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ハワイは20年来、ネイバーアイランドへのリピーター。バードウオッチと植物観察が好きで、ハワイでもトレッキングをしながら探鳥を楽しんでいる。ローカル・レストランと古い建物の探求、地元のイベントに参加することも好き。
ALOHA NOPU:http://www.alohanopu.sakura.ne.jp/
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