アローハ!

11月の感謝祭も終わり、ホノルルの街はクリスマス一色です。ダウンタウンのホノルルシティライツも点灯式を迎え、ホノルルマラソンも終わり、あとはクリスマスを待つばかりです。1年が過ぎ去るのはとても早いと毎年思います。先日、ハワイに在住30年以上ですが、初めてハワイ・プランテーション・ビレッジに行ってきました!今日はそこのご紹介をしたいと思います。

ハワイ・プランテーション・ビレッジ

ハワイ・プランテーション・ビレッジはオアフ島の西側のワイパフという場所になります。私は一度も行ったことがなったのですが、そこでボランティアをされている方に誘っていただきました。ヒロのハワイ・ジャパニーズ・センターを訪れたことがあったので、ちょっと似た感じはしました(以前こちらのキルトパラダイスで紹介しています:https://pacificresorts.co.jp/kawaraban/quilt/aloha-program-curator-seminar-1/)。ですが、こちらは日本の移民の歴史だけではなく、各国から来た移民の紹介をしています。

資料館の日本移民セクション

資料館の中には移民の歴史年表から始まり、いつからどこの国からの移民がハワイの地にということが説明されています。ハワイ砂糖プランテーションは、カウアイ島のコロアで1835年から始まっています。当時ハワイは砂糖の生産が盛んであったのですが、伝染病により、ハワイの人口が激減したため、カラカウア王が移民のお願いも兼ね、外交をしました。まずは砂糖精製に多少技術があった中国人から始まり、ポルトガル人、日本人、韓国人、ノルウェイ人、プエルトリコ人、フィリピン人などがハワイに移民しました。労働は過酷であったとのことですが、ここではその生活ぶりを紹介しています。当時のプランテーションで生活をしていた各国の移民住居を移築し、その様子を今に伝えています。

館内の移民年表

館内の説明の後は屋外に出ます。建物の周りには菩提樹, ククイ、クラウンフラワー、ロケラニローズ、タロなどハワイアンキルトに使われる植物もたくさん見ることができます。ここはハワイアンキルトの植物チェックにもいいかもですね。まずは記念碑があり、そのすぐ横には100年ほど前にタイムスリップするトンネルがあります。これを通るとそこはプランテーション時代の建物を目にすることができます。

タイムトンネル

トンネルを出るとまずは中国の会議所があり、そこから各国の住居が並んでいます。実際には同じ民族は固まり住居があったのですが、ここでは各国の比較をするために色々な移民の住居が交わっています。日本の家のまわりには豆腐屋、床屋や公衆浴場があったりとその時代の人々の生活ぶりが垣間見ることができます。プランテーションストアもありますが、ジェネラルストア、今でいうコンビニのような店の再現もあります。本当に100年以上前にタイムスリップしたような感覚さえ覚えます。現代人の祖先がどのような生活をしていたかを知るために、地元の小学生を始め学校のフィールドトリップとして子供たちがよく訪れると聞きました。楽園として有名なハワイですが、王国以外にもこのような移民の歴史があることを次世代に伝えていくとても重要な場所だと思いました。

日本の家の内部

ほぼすべての国の色がミシンを持っていたようです

床屋さん

公衆浴場

ジェネラルストア

そして広く広がっている畑にはタロ芋畑もありました。ここのタロはとても質が良いということでした。このタロ芋畑からは、ハワイのレール(電車)も見ることができ、良き古き時代と今の時代のちょうど境界線にあたる場所なのかなとも思える光景でした。

タロイモ畑

一つ私が‘初めて知ったことは、沖縄からの移民の方が持って来たという「芭蕉布」という生地の存在です。通気性が良く、さすが南国の人たちが開発したという、とんぼの羽のように透けるほど薄く軽いものだそうです。張りがあり、さらりとした肌触りだそうで、風をよく通す生地高温多湿の沖縄の風土にあった生地だとされています。ハワイでもこの生地で作ったシャツを着て、畑仕事をされたと言われています。次回沖縄に行った時には是非手に取ってみたいと思います。また、当時は沖縄にも旗があったそうで、こちらがその沖縄の旗ということを教えていただきました。

沖縄移民のセクションでは芭蕉布の紹介

沖縄の旗

ハワイに日本人が住みやすくなった基盤は、すべてこの時にサトウキビの移民としてこられた日系人の方々の功績があったからです。日系2世や3世の方のお話を直接聞けるのはとても貴重なことですが、こちらのボランティアの方はそこ方達からの言い伝えなどを私たちに伝えてくださいます。ハワイに来られる際には一度こちらのハワイ・プランテーション・ビレッジまで足を運んではいかがでしょうか?

日本語のツアーも前もってリクエストをしてくださいね。そして、虫除けとお水は必ず持参してくださいね!またこちらの方達にリスペクトの意がありましたら、当時から着られていたパラカのシャツなどを着ていらっしゃると、スタッフの皆さんがとても喜んでくださるかもしれないです。(私が前にパラカシャツについて書いた記事はこちらです。https://pacificresorts.co.jp/kawaraban/quilt/palaka-shirts/)ちあきさん、Derrickさんありがとうございました。

今年2024年もキルトパラダイスを読んでいただきまして、ありがとうございました。

素敵なクリスマスとお正月をお迎えください。2025年もどうぞよろしくお願いいたします。

アン

ハワイ・プランテーション・ビレッジ

http://www.hawaiiplantationvillage.org

営業時間:月から土曜、午前9時から午後2時

休み:日曜、祭日 (12月31日には午後12時まで、1月2日休み)

行かれる日が決まったら、メールにて日本語ツアー希望とリクエストすることができます。ツアーご希望の方は12時までになります。ツアーは約1時間半になります。(運動靴などの歩きやすいものでご参加ください)

ワイキキなどからはバス、uber, レンタカーをご利用ください。

Email:  waipahu.hpv@gmail.com

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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