ヒロにあるトロピカル植物の種類が多い植物園を紹介します。

ハワイ島北東部にあるオノメア湾を背景にした、広さが約5万坪のトロピカル・ガーデンには2000種類以上の植物がありますが、そのうちわけは125科、750種類の熱帯植物を見ることができます。ガーデン内のトレイルの長さは約1.25マイル(約2キロ)で、約2時間で園内を回ることができます。ガーデン内にはオノメアの小川が流れ、いくつかの滝も目の辺りにできます。オーシャンビューを楽しめるスポットもあり、大自然の中をウォーキングする感じですね。雨が多い時もありますが、入り口では貸し出し用の傘もあり、しっとりとした雰囲気でガーデン内を楽しめます。

もともとは、個人の私有地でしたが、今は非営利団体が運営する植物園になっています。チケットは売店で購入。そこから道をはさんだエントランスから入園です。ガイドは付きませんので、地図を片手に園内を歩きます。
まずは木の板で出来た歩道をどんどん下っていきます。雨が多い場所なので、スニーカーでないと危険ですね。右や左にはジンジャーの群生やシダの群生などを見ることができ、ハワイアンキルトをやっている人には、キルトデザインがあちらこちらにと貴重な風景です。

ガーデンのエントランス

ガーデンのエントランス

数種類のシダもこんな綺麗に写真に撮れます

数種類のシダもこんな風に綺麗に写真に撮れます

木の板の歩道が終わると平らなコンクリートの歩道に変わります。その辺りから椰子の木のジャングル、ヘリコニアの群生などがあり、オノメアの滝を見ることができます。植物の前には植物名の入った看板もあり、とてもわかり易いですが、スケールの大きさに、植物園ということを忘れてしまいそうになります。ヘリコニアの種類も多いですが、育ちすぎたような巨大な物もたくさんあります。外来種が多いのですが、赤い看板は、ハワイ固有種の植物なので、是非見つけてみましょう。

ジンジャーの群生には、カヒリジンジャー、イエロージンジャー、トーチジンジャー、ビーハイブジンジャー、レッドジンジャー、ピンクジンジャー、インディアンヘッド、シェルジンジャー、ホワイトジンジャーなどがあります。ジンジャーは外来種なので、昔からハワイに生育していた植物ではないですが、ハワイアンキルトのデザインとしてはポピュラーです。
名前はブルージンジャーですが、ショウガ科ではなくツユクサ科であることが今回、近藤純夫先生の本を見て知った次第です。(*近藤純夫著「ハワイアン・ガーデン/平凡社を参照)
一気に熱帯植物を多く見ることができるので、デザインを思案中の方にはいいかもしれないですね。

オノメアの滝は心が洗われます

オノメアの滝は心が洗われます

お化けのような大きく長いヘリコニアがたくさんあります

お化けのような大きく長いヘリコニアがたくさんあります

ブルージンジャーも近くで観察できます

ブルージンジャーも近くで観察できます

オーキッドのガーデン、リリーレイク、そしてボウルダー・クリーク滝を見るのも楽しいでしょう。木の表皮にはコケが生育し、雨が多いことを物語っています。リリーレイクには蓮の花も咲いています。
(水はあまり綺麗ではないので、水の中に手を入れないように気をつけて下さい)
そして海の方へ歩きます。目の前にオノメア湾を見渡せるスポットがあります。お天気だとさらに素敵な眺望です。写真では少しわかりにくいかもしれませんが、湾の中に二つの岩が見えます。実はこの2つの岩(ツインロックス)にはカハリイの恋人伝説があります。
この場所には昔、ハワイアンのカハリイ村がありました。一説では、海からやってくるカヌーに乗った侵入者を防ぐため、酋長が恋人達に村を守るように言い伝え、一晩経つと恋人達はいなくなり、その代わり湾の中には村を守るように大きな岩が2つ現れ、命を持って村を守ったと言い伝えられています。とても忠誠心のある人達だったのですね。。

オーキッドの種類も豊富

オーキッドの種類も豊富

リリーレイクには蓮の花が咲いています

リリーレイクには蓮の花が咲いています

伝説のあるオノメア湾の2つの岩

伝説のあるオノメア湾の2つの岩(ツインロックス)

雨の多い植物園ですが、晴れたりやんだりしますので、ゆっくり楽しみながら回ってみましょう。私が今回一番気に入った植物は「猫のひげ(cat’s whiskers)」です。猫のひげのようなシソ科の植物で、ハワイアンキルトのデザインには難しいかもしれないですが、おもしろい植物ですね。
ハワイ島に来られたら、是非行かれて下さいね!

*園内では植物に触れたり、フルーツを食べたり、水を飲んだりは止めましょう。虫除けのスプレー、お水などは持参して下さい。

猫のひげ

猫のひげ

こちらの植物園からのインスピレーションでデザインした、まさに「ハワイアン・トロピカル・ガーデン」というベビーキルトです。
中には、ブルージンジャー、トーチジンジャー、カヒリジンジャー、ホワイトジンジャーを入れてデザインしてあります。

トロピカル・ガーデンのベビーキルト

トロピカル・ガーデンのベビーキルト(中務純子さん作)

By アン

Hawaii Tropical Botanical Garden
27-717 Old Mamalahoa Highway
Papaikou, HI  96781
Tel:  808-964-5233(英語のみ)
ウェブサイト:http://htbg.com(英語のみ)
時間:9時~17時(入園は16時まで)
休み:サンクスギビング、クリスマス、元旦
料金:大人一人$25、子供一人$12(6歳~16歳)、5歳以下は無料
(料金は2023年3月現在の料金を確認し更新しておりますが、植物園の都合による変更の際はご了承ください)

 

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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