アローハ!

今年もすでに12月になってしまい、クリスマスもニューイヤーズもすぐそこです。11月27日よりハワイ島のマウナロア山の噴火が始まりました。今までの噴火はキラウエア火山でしたが、今回は世界の中で1番堆積の重いマウナロア山が38年振りに噴火しました。夏くらいから地震が多かったので、専門家は予測していたのですが、ここに来て噴火とは誰もわからなかったようです。久しぶりに娘が仕事でハワイ島に行く予定だったので私も同伴しました。今日は噴火しているマウナロア山についてご紹介しましょう。

マウナロア山の噴火の様子

マウナロア山が最後に噴火したのは1984年だったそうで、今回の噴火は38年振りなのでハワイ以外でも世界中で大きな話題になっています。

2018年に大きな噴火が始まったキラウエア火山とは別の山です。ハワイ島は大きな5つの火山で形成されています。コナ空港からすぐに見える山はフアラライ山、そしてワイコロアに向けて車を走らせると正面にコハラ山、そしてワイコロアからワイコロア・ビレッジにドライブしていくと左側にマウナケア山、そして右の奥の方に今回噴火しているマウナロア山が見えます。ヒロ側に近いのはキラウエア山になります。噴火当時は私がかつて数年住んでいたワイコロア・ビレッジからも見えたと聞きました。キラウエア火山の噴火の時も思いましたが、ハワイ島は今でも大きな活火山が息をしている島なのだと実感させられます。

今はホノルルに住んでいるので、あまり実感はなかったのですが、ハワイ島のコナ空港に到着し、そのままワイコロア・ビレッジを通りサドルロードに向かい車を走らせました。はじめは全然噴火の様子は見えなかったのですが、米陸軍の施設を超えたあたりから赤いものが見え始めました。ほんとに火山が噴火しているではないですか?この感動はやはり目の前で直接見ないと理解できないというか、実感がわかないものですね。同じハワイに住んでいても、ハワイ島に来ると大自然が存在し、地球の息づかいが直接聞こえてくるという感覚になります。

マウナロア山の噴火の様子

噴火が始まってから、たくさんの人たちがこの様子を見に行くようになり、ハイウェイの路肩に駐車をすると非常に危ないということから、路肩に車を停めると罰金が課されるという($1,000以上)、規制が作られました。しばらく進んでいくと左側にトイレがある休憩エリア(Gilbert Kahele Recreation Center)があります。そこには駐車ができるようになっているので、そこに入りました。車を降りて外にでたら、そこはもう摂氏10度くらいの気温になっていました。コナの空港では摂氏25度くらいあったのに、1時間弱走ると気温が全然違います。セーターやスエットなどが必要です。標高約2000メールの場所ですから耳も抜けなくなります。車ですぐに行けるような場所なのですが、大自然が広がるハワイ島ならではです。そこから道路を挟んだ向かい側には今までには見たこともない、噴火と溶岩が流れる様子がテレビのように見えました。とても感動しました。そしてこの標高だと、満天の星が見えます。私はワイコロア・ビレッジに住んでいる時に星を見るのが大好きでした。満点の星や、地球が生きているという証しの噴火や溶岩の流れを一度に見えるというのは本当ラッキーなことです。このまま道路まで溶岩が流れないように火山の女神、ペレ様が怒りを抑えて下さるようお願いをしてコナのホテルまで戻ることにしました。その時に娘が撮った写真には満天の星も映っていました。

マウナロア山の噴火と満天の星

オールド・サドルロードは1942年、米陸軍の演習場に行く道として完成しました。ですが、舗装されていない部分もあり、ガタガタ道という印象があったのですが、2013年に今の素晴らしいサドルロードが完成しました。この道はコナ側からヒロ側に行く経路で1番近い道路としてハワイ島の人には親しまれています。今でもオールド・サドルロードは使えますが、あまり普段は使われていないと思います。今回、そのオールド・サドルロードに駐車をしてもいいということになり、その道からマウナケア山の溶岩を見られることになっています。

現在の様子だとサドルロード(新しい方)から約1.5マイル(約2.4km)の場所に溶岩が迫っているとのことですが、噴火当時に比べ、溶岩の流れる速度がかなり遅くなっていることから、道には到達しないという報告が上がっています(2022年12月11日現在)。この道が閉鎖されてしまうと、コナ側からヒロ側には海岸線の道を通るしか方法がなく、かなりの遠回りになってしまうので、今のところ、地元に人たちにとっては願いが届いていることになりますね。

地元の人たちはペレ様に祈りをささげ、聖なるマイレのレイやペレ様の大好物のジンをお供えし、チャント(お祈り)を捧げる姿もあちらこちらで見られます。

火山の女神ペレ様にお供物を捧げている

私と娘が行った次の日、お友達が昼間ヒロに向かった時の写真です。昼間だと赤い噴火とか溶岩はあまり見られないようですね。そしてその夜はまた違うお友達が溶岩を見に行ったようですが、雨と霧とがすごく、マウナケア山のオニズカセンターまで登らないと溶岩が見えなかったようです。私たちは本当にラッキーでした。ペレ様に見守られていると勝手に思った次第です。

昼間のマウナロア山の様子

実は私はハワイ島に住んでいる時に、キラウエア火山に何度が行き、赤い溶岩を想像しながら(噴火している様子は見えなかったため)、キラウエア山に生息しているハワイ島の花のレフアと大きなシダのアマウという植物をデザインしたキルトのデザインを描きました。黒い溶岩に赤い溶岩を想像していたので、本来ならハワイアンキルトでは使わない黒の生地を使いたく、黒地に赤地のデザインで作るのはいかがなものかとハワイアンのアンティに訪ねました。そうすると私のデザインを理解してくださり、黒地を使うのもありだとおっしゃってくださいました。そこで大きなキングサイズのハワイアンキルトを作り始めていました。

大きなキルトのアップリケはとても大変で、亀のような遅さでアップリケを少しづつ進めていたキルトでしたが、今回のマウナロア山でもペレ様に背中を押された形になり(勝手に思っていますが)、アップリケに一層力を入れ、1年で完成させようと心に誓いました。これもすべてマウナロア山の噴火と溶岩を見せていただいたおかげです。一層ハワイ島のことを考えながら、制作を続けていきたいと思っております。

今年1年キルト・パラダイスを読んでいただきまして、ありがとうございました!2023年も皆様にとりまして、素晴らしい1年になりますようお祈りしております。素敵で平和なクリスマスとお正月をお迎えください。

キラウエア山への想いを込めたハワイアンキルト

アン

筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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