ハワイ島では毎年2月に、島内のキルトショップを巡る、キルト・ショップ・ホップが開催されます。
毎年キルトのデザインが違うテーマになりますが、2015年はスリッパ(ゾウリとも呼ばれる)でした。各ショップが工夫をして作り、サンプラーズキルトに仕立てています。2016年も2月に予定されています。今日はそのお話をしましょう。
ハワイ島では毎年、2月にキルト・ショップ・ホップが開催されます。ハワイ島にはキルトショップが数多くあり、他の島でもショップ・ホップは以前開催していたのですが、現在でも行っているのは、ハワイ島ということになります。2月の第一土曜日には、ワイメアのチェリー・ブロッサム祭りで、キルト展も開催されていることもあり、この時期に開催されているということでもあるようです。毎年テーマに使われるデザインが変わり、キルトショップがこれに協力し、各ショップ毎に特徴のあるデザインも用意します。各ショップを巡り、それぞれのデザインのパターンやキットを購入して歩くことは、キルターにとって、毎年の楽しみの1つになっています。アメリカ本土からはこの期間、このためにハワイ島を訪れるキルターも少なくありません。
私の作るハワイアンキルトとは違いますが、ほとんどの方が、ミシンで1枚1枚のパネルを作ります。
それぞれのショップはスリッパを工夫し、オリジナルのデザインを作ります。それぞれのショップに行かないと、手に入らないところがこのキルト・ショップ・ホップの楽しいところです。また各ショップはスリッパの他に、中心のパネルも独自のデザインを作ります。
カイルアコナにあるキルトショップは2軒あります。キルト・パッションのスリッパのデザインは、鼻緒の部分がイルカになっていて、中心のパネルはアロハとアルファベットで書かれたデザインでした。キットを購入すると中には生地なども入っているので、サンプルと同じ物を作ることができますが、自分のオリジナリティーを生かし、生地を変えるのも、また楽しいものです。
そしてもう1軒はファブリック&キルティングディライツです。どちらのショップもハワイアンキルトのデザインなども売っていますが、メインはパッチワークキルトです。ハワイ島でしか売っていない生地などもおいてあります。ここのデザインはスリッパの鼻緒の部分がグリーンのリボンで出来ていて、中心のパネルはマルガリータでした。とても可愛いアイディアですよね。
カイルアコナから少し南に行ったところには、昔からあるキムラ・ショップという生地屋さんがあります。こちらは日系人の方が経営しているので、日本風の生地などもたくさん手に入ります。私は日本人なので、日本の生地や着物の生地にはあまり興味がないのですが、ハワイのキルター、またアメリカ本土のキルターには大人気です。私の所属するアヌエヌエ・キルターズの中でも必ず皆さん、和風なデザインや生地などでキルトを作られています。
こちらのショップのスリッパには小さいボタンが付きます。ハワイアン柄の生地を使っています。中心のパネルはさすが日系の方。家の中に入る前には、靴を(スリッパ)を脱いでくださいという、デザインです。ハワイはアメリカの州ですが、日本式に、家の中では靴を脱ぐという習慣が根付いています。また黒のボーダーっていうのもちょっと和風ですよね。
カイルアコナを北上し、ワイコロアリゾートを通り越し、ワイメアまで行くと、トップ・ステッチという生地屋さんがあります。ワイメアはマウナケア山の麓にある小さい牧場のある町ですが、私が所属するキルトクラブがこちらにあります。このショップのオーナーのリズさんはロングアームのミシンキルトを持っているので、私のキルトクラブのキルターはリズにキルティングをお願いしているようです。このショップのデザインは薄い可愛いスリッパでボタン付きです。中心のパネルはビキニです。ここの完成キルトが一番可愛かったので、下地、ボーダーのスリッパのプリント生地もキットで購入してしまいました。私はやはりミシンキルトではなく、手縫いで作ってみたいと思っているので、いったいいつになったら完成することやら。。
そしてヒロに行くと、キラウエア・クリエーションズ1と2の2つのショップがあります。2はヒロの町の中、もう1はボルケーノ・ビレッジにあります。どちらのショップも生地の種類も多く、デザインも豊富なので見に行くだけでも楽しいです。さすがにボルケーノらしく、赤と黄色で作られています。中心のパネルはヒトデと椰子の木になっています。(写真はキラウエア・クリエーションズの1と2が反対になってしまっています)スリッパのかかとの部分が火山とハイビスカスっていうのもさすがですね。この期間、端切れなどのプレゼントもあります。
キラウエア・クリエーションズ1の完成キルト
ヒロ湾の近くにはファブリック・インプレッションズがあります。こちらも古いお店のようですが、店内はいつもキルターの人が作業しています。デザインはスリッパの底がハワイアン柄のプリント。そして中心パネルは太陽とサングラスでした。プリント生地の種類が多いショップです。
そして最後はボルケーノ・ビレッジからさらに南に進み、私の家からは一番遠い、パハラにあるキルトショップ。すでに去年のショップ・ホップの後は閉店したようですが、また2016年のショップ・ホップには参加が決まっているようです。カウ・コーヒーのショップが近くですので、このショップに行かれたら、コーヒー休憩などをお勧めします。このショップはオーナーの家の一部なので、ちょっと可愛い雰囲気です。デザインは柔らかい感じのスリッパで、中心のパネルはホヌ2匹です。ショップ内には、メイドインハワイで、しかもこの店にしか置いていない、オリジナルのハワイアン生地などもあり、ここでは買い物してしまいました。とっても素敵なオーナーです。
どのショップもそれぞれにユニークで、一度は行ってみたくなります。この時期、大型バスで団体キルターが来るらしく(アメリカ本土の人がほとんどですが)、大きなグループが立ち去ったあとのショップは、閑散とし、生地やキットの在庫がなくなっています。決して大げさに言っているのではないですが、アメリカのキルター達もすごい購買力です。残念ながら、日本の旅行会社はこのような企画をやってるところはないと思うので、皆さんレンタカーをして回っていただくしかないですね。人が集まれば私がガイドをやらせていただいてもいいのですが。
また、8つの店に行くと、それぞれスタンプを押してくれて(スタンプラリーのように)、抽選に参加できます。グランドプライズは大きなキルトや生地など、豪華プレゼントです。ハワイ島は他の島よりもキルト熱がとても高いので、このようなショップ・ホップを開催してくれるのですね。2016年も2月1日〜29日まで開催が決まっています。来年のテーマはホヌになるとか?フェイスブックも作っていますので、皆さんもチェックしてみてください。来年もデザインが可愛かったら、また8軒、回ってしまうかもです。
2016年2月6日(土)はワイメアのチェリーブロッサム・フェスティバルでのキルト展の開催が決定しています。来年はハワイアンキルトの年ではないので、色々なキルトの展示があります。2月のハワイ島はとっても楽しみです。皆さんも是非この機会にハワイ島、訪れてみてくださいね!
By アン
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筆者プロフィール
- アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。
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