アローハ!
さて、そろそろ皆様も久しぶりにハワイに来てみたい! と思っていませんか? 是非是非いらしてください!!! ハワイ人たちは皆様がいらっしゃるのを心から楽しみにしています!!
さて、みなさまもご存知の通り、ハワイ主要8島にはそれぞれ公式の花と色があります。
今日はカホオラヴェ島の花であるヒナヒナについてお話しさせていただきますね。
カホオラヴェ島は主要8島の中で、1番小さく、人が居住していない唯一の島になります。古戦場であったり、太平洋戦争の時は米軍の演習地になっていたりと気の毒な島です。米軍がハワイ州に島を返還してからは、文化的や宗教的な活動のみ使用できる島となっています。ただし、一般人の立ち入りは禁止されています。限られた人のみ上陸できます。よって港などの完備もないと聞いています。
そしてこのカホオラヴェ島の花は固有種のヒナヒナ。花びらの幅は3mmくらいしかない小さい花です。海辺に近い土地で咲くため、本当に見つけるのに苦労しました。
カホオラヴェ島には行けないので、他の島でどうにか探そうとして10年以上かかったでしょうか。ハワイ島のラパカヒ・ステイト・ヒストリカル・パークで偶然に見つけました。その時は飛び上がって喜んだのを今でも覚えています。あまりにも小さく、見過ごしてしまいそうな花でしたが、目に焼き付け、写真をたくさん撮りました。その時にデザインの構想がもっと膨れました。やはり本物の植物を見ると、デザインも変わります。
5つの白い(少しオフホワイトな感じ)花弁を持つ花は直径が15mmほどです。ちょっと甘い香りもします。そして葉は肉厚で、細かい繊毛が生えているので、遠くから見るとシルバーグレーに見えます。
ヒナヒナのクッションのデザインを1番最初に作りました。カホオラヴェ島の公式の色はグレーです。海の色を下地に、島の色のグレーでこのクッションを作りました。これはとても人気のパターンとなり、私の生徒さんもたくさんの方々が作られています。そして次に90cm角のウォールハンギングのデザインを作りました。たくさんの小さい花をデザインしています。
ベッドカバーは2m角の大きな作品です。たくさんの花と肉厚の葉をたくさん描き、花だけを中心に散らしてみました。花の色はシルバーグレーです。
丸みを帯びたたくさんの花びらのアップリケは時間がかかります。
下地がブルーのヒナヒナのベッドカバーはほぼ3m角のキングサイズです。娘たちのウェディングキルトだったのですが、未だにキルティングの途中です。心を込めて少しずつキルティングしたいと思っています。これだけ大きな作品になると、アップリケも本当に大変です。中心の花の色は薄いブルーにしてみました。
キルティングの作業は気の遠くなるような時間を要します。その時には花を見つけた時の嬉しい気持ち、その時に一緒にいた人たちの顔や空気感などを思い出しながらちくちくします。そしてその思いが終わると、次は娘たちのことやアーチーのことなどをまた考えながらちくちくします。アーチーも今月末で4歳になります。そんな思いをめぐらせながらちくちくするのは本当に楽しみの一つですね。
より本物に近い色の白やオフホワイトで作るのもいいですが、カホオラヴェの色で作るのもいいですね。まだ見ぬ島を想像しながらの作業も楽しいです。
本物の花を観察してから、花の中のキルティングラインや、可憐な様子をより細かく表現してみようと思いました。写真で見た植物からクリエイティブになるのと、本物を手にとって観察しクリエイティブになるのとでは、根本的に意味が違うこともよくわかりました。ハワイから日本へ本物のお花をお持ちすることはできませんが、この写真をよく見ていただき、皆さんもクリエイティブになってみてくださいね。
アン
筆者プロフィール
- アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。
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