久しぶりにカウアイの我が家に戻り、つかの間、ホッとできるかな~と思っていたところ、帯状疱疹にかかってしまいました。初めての体験です。
ご存知の方も多いと思うのですが(私は詳しいことはまったく知りませんでした)、帯状疱疹というのは、子どもの頃にかかった水疱瘡のウィルスが、脊髄近くの神経節と呼ばれる部分に残り、疲れやストレスなどでカラダの免疫力が低下した時に皮膚に水疱が出来るものらしいのです。疲れやストレスとまったく無関係に暮らしている人の方が少ないと思われるのですが(笑)、”走り過ぎる”傾向にある私の性格に、カラダが「ストップ」をかけてくれたのでしょうか。もう少しスローペースでいったらどう?と言うカラダからのメッセージなのだと思い、今回はしっかり養生をしようと心がけました。
経験された方は重々ご存知だと思うのですが、帯状疱疹というのはとても痛いですね。痛さで眠れない夜も多くて、痛み止めの薬も効かない。そういう症状がさらに心身を疲弊させてしまいます。とはいえ、ベッドの上でじ~っと寝ていることが出来ない私です。せめてソファに座って…を心がけて、DVDを観たり、大好きな本を読んで過ごしました。ネットで調べると治癒に数週間はかかり、完全に治るまでは数ヶ月となっています。そんなに長い間、養生する忍耐力が自分にあるのか? と思いましたが、幸か不幸か、発疹の出来た場所が左首から左肩周辺で、服を着ることが出来ず、外出が出来なかったことが養生生活に拍車をかけて(?)くれたのが良かったかもしれません。発生から3週間が経とうとしている今、水疱がカサブタになり、そのカサブタが取れ始めて来ました。今は90%が火傷痕のような状態になっています。
そんな中、どうしてもオアフのイミグレーション・オフィス(移民局)に行かなくてはいけない用事があり、ダンナさんと日帰りでオアフに行ってきました。水疱が出来てからまともに服を着るのは3週間ぶりです。でもなるべく痕が残らないように、陽に当たらないように肩を隠すTシャツを着て、首もとにはスカーフをして、この季節のハワイではちょっと変な人になって出かけました。イミグレーション・オフィスはホノルルのアラモアナ・ブルーバード沿いにあります。用事が終わってから、同じブルーバード沿いにあるアラモアナ・センターに足を向けました。
アラモアナ・センターの2階を歩いてた時に、辺りがずいぶんときな臭いな~と思い、一帯が煙に覆われている一画がありました。BBQをしているオーブンのすぐそばにいるような感じ、とでも言えば良いでしょうか。プラスティックが焼けたようなカラダに悪そうな匂いが辺り一帯を覆っています。あるブランド店の前を通ると、店内が完全に煙で埋まり、営業を停止しているようでした。「あー、ここのお店が火事なんだ」と思いながら歩いていると、近辺のお店が次々にドアを閉めていました。たぶん、煙と匂いを店内に入れないためだと思います。
「一時間パーキングに車を止めたから、大丈夫か確認してくる」とダンナさんが言って駐車場に向かって行きました。すぐに帰ってきたのですが、地下の駐車場にすごい数の消防車が来ていて大騒ぎになっていると。その消防車がちょうどレンタカーを止めた場所に固まっていて、立ち入り禁止になっていてレンタカーに近寄れない、と。
「でで! 空港に行く時間までにレンタカーに戻れなかったらマズいね」・・・と言いながらも、私たちにはどうすることも出来ないので、時間つぶしにアップル・ストアのお店に入ることにしました。夫婦でアラモアナ・センターに来ると、私とダンナさんは一緒に行動することが出来ません。ショッピング好きな私と、ショッピングには1ミリも興味のないダンナさん。一緒に行動するのはお互いにとってストレス以外の何ものでもありません(笑)。 一緒に楽しめるのは、アップル・ストア、地下のフード・コート、休憩に入るカフェ、以上。という感じです。
周囲を見渡すと日本人のカップルやファミリーが一緒にショッピングを楽しんでいる姿がたくさん見えます。日本人男性は比較的、お買い物が好きなのか? 海外旅行で奥さん孝行をしているのか? 夫婦でショッピングが楽しめるってうらやましいな~と思いながら横目で日本人カップルを眺めるのがアラモアナに来た時の習慣になっています。それでも今回強く感じたのが、ずいぶんと日本人観光客が減っているんだなーということ。中国人観光客がすごい勢いで増え、以前のように「まるで日本にいるようだなー」と言うくらいの日本人観光客の姿は見えません。円安も関係しているのでしょうけれど、少しさみしい思いがしました。離島に住んでいる私たちがオアフに行って楽しめることのひとつに「食事」があります。日本人観光客が減ると、日本食のお店も姿を消してしまう・・・ ハワイと日本の親しい関係がずっと続いてほしいなと思います。
いよいよ空港に向かわなくては! と言う時間に駐車場に戻ると、消防車の数も最低限に減り、無事にレンタカーにも行けてアラモアナを離れることが出来ました。唯一残念だったのは、フード・コートで夕食を買って空港で食べようと思っていたのですが、なぜかお目当てのお店のシャッターが閉まっていて、お気に入りの味が食せなかったこと。「火事の影響かな・・・」と言いながら、空港へと向かいました。
そして翌日。仕事に出かけていたダンナさんからLINEで一枚の写真が届きました。アラモアナ・センターからモクモクと煙が上がっている写真です。「え、こんなことになってたの?」とビックリするばかりです。
新聞の一面に「アラモアナ・センターで火事。フード・コート避難事態」というタイトルで記事が載っていました。出火原因は現在ハッキリしないとあり、フードコートの上にあたる2階、3階のお店に影響。とありました。火事はフードコートからだったのですね。道理で、フードコートの真ん前に車を止めていた私たちが立ち入り禁止を食らったワケです。新聞に載った写真を見て、「でで、けっこうな事態だったんだねー」と驚くばかりです。現場にいるというのは案外そういうことも多いのかもしれませんね。火事で炎が燃え盛る中を走り回ったり、爆発事故につながる事態にもならず、無事に帰れて何よりでした。 それにしても事故というのは、いつどんなところで起こるか分からないですね。
いつ死ぬかも分からない・・・ と言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、でも実際に確実に自分の手の中にあるのは「いま、この瞬間」でしかないのが現実です。いやはや、瞬間瞬間を楽しんで暮らすのだと改めて思ったホノルルでの出来事でした。
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