皆さまハッピー・ニューイヤー!
2021年になりました。今年は去年よりも素敵な1年にしたいですね。今回のキルトパラダイスはハワイアンキルトのことではなく、私がボランティアをしているイオラニ宮殿のご紹介です。イオラニ宮殿は去年より新しいツアーを追加しました。今日はこのツアーの1つについて詳しくお知らせいたしますね。

カラカウア王の誕生日を祝ったイオラニ宮殿

イオラニ宮殿はパンデミックの影響でしばらく閉館していたのですが、6月より再オープンしています。今では英語のツアー、オーディオツアーが水曜日と木曜日で再開しています。(2021年1月現在ですので、行かれる時は必ずウェブサイトをご覧ください。予定が変わることがあります。)
残念ながら日本語のツアーはまだ再開していないのですが、リクエストベースで受け付けています。

そんな中で、イオラニ宮殿にも新しいツアーが3つ誕生しています!
その一つは日本にも行ったことのあるカラカウア王の特別ツアーです。
英語表記は「Hawaii Royal Connection to Japan Tour」。「ハワイ王室の日本旅行を通しての関係性」と言ったものでしょうか。今までイオラニ宮殿に何回もお越しいただいた方は、いつも同じツアーでちょっとと思われている方にはぴったりかもしれません。またもっと詳しくハワイの歴史について知りたい方、飾ってある調度品をもっと近くでみたい方には素晴らしいツアーになっていると思います。

私もこのツアーのボランティアガイドのトレーニングを受けて来ました。しばらく宮殿内に入っていなかったので、久しぶりの宮殿内はとても神聖でした。またこのトレーニングの後は、某テレビ局の「世界ふしぎ発見」の収録にも参加させていただきました。早く日本語ツアーが復活できることを願っています。

11月16日はカラカウア王のお誕生日。この日の前後にはイオラニ宮殿はロイヤル・スタンダードという旗に覆われます。前にこのことに関しての記事を書かせていただいたのでよければ参考にされてください。(https://www.pacificresorts.co.jp/kawaraban/quilt/fiag-of-hawaii/
そんな時期にこの新しいツアーの誕生は本当に嬉しいです。

ツアーの始まりは通常のツアーと同じ場所です。1881年にカラカウア王はサンフランシスコ経由で、横浜港に到着しました。日本が鎖国後、現職外国元首の初来日ということで横浜港では丁重にお出迎えされたということです。初めは国の元首ということを隠しての来日ということだったのですが、カラカウア王のロイヤル・スタンダードの旗を船に掲げての到着ということで、天皇の直々の来賓となり、手厚いおもてなしを受けたました。皇室のロイヤルバンドが今ではハワイの州歌であり、カラカウア王自ら作詞された「ハワイ・ポノイ」の演奏をし、とても感動した到着であったと言われています。想像できますね。そんなお話から始まるツアーです。

そして大広間では明治天皇からプレゼントされた伊万里焼の菊花紋が入った花瓶を始め、官約移民の記念の七宝焼きの花瓶、薩摩焼の花瓶などもみることができます。カラカウア王朝時代は20個ほどの日本からプレゼントされた花瓶などがあったようです。

明治天皇からの菊花紋が入った伊万里焼の花瓶

官約移民の記念の七宝焼きの花瓶

薩摩焼の花瓶

青の間と聖餐の間では、これまでにイオラニ宮殿に招待された日本人などの話などが紹介されます。青の間に飾られているヴィクトリア女王即位50周年の式典が行われたウエストミンスター寺院の絵の中に、招待されたカピオラニ王妃と当時のリリウオカラニ王女が映っていることはずっと知っていましたが、その反対側には日本から小松宮彰仁親王が参列している姿も描かれていたのです。今回のトレーニングで知りました。まだまだ奥が深いですね。この方はカラカウア王が日本にいかれた時に撮られた写真にも載っていらっしゃいます。

青の間のヴィクトリア女王の式典の絵

カラカウア王が日本で撮られた写真にも小松宮彰仁親王が映っています

聖餐の間ではカラカウア王時代に、多くの朝食会が催されたことなどを紹介します。今までのツアーと違い、ダイニングテーブルを間近に見ることができます。私たちドーセントですら、今までこんな近くでは見ることのできなかった食器や調度品が目の当たりにというのは素晴らしいツアーです。嬉しいですよね。当時のお食事会が目に浮かびます。

このツアーのハイライトでもある調度品などを間近で見ることができます

王座の間はカラカウア王時代には舞踏会や重要な式典などが執り行われた場所でした。1900年代に入ってからは2階の王の寝室が知事の部屋となり、外国の高官や来賓が招かれる部屋となりました。2018年、秋篠宮殿下と紀子様ご夫婦がイオラニ宮殿に来られた時には、貴重な手紙が展示されていました。普段は置かれてないのですが、1885年に第一弾の官約移民を日本から連れて来たロバート・アーウィンの子孫から寄付されたカラカウア王が明治天皇の36歳のお誕生日に贈られた貴重な手紙です。秋篠宮殿下は熱心に最初から最後まで読まれていたということです。1882年5月の朝日新聞に残されているのは、カラカウア王は日本の旅が訪れたどの国よりも気に入り、日本のおもてないしにひどく感動したということを記してあるそうです。きっと日本でとてもいい体験をされたのでしょう。

そのあと階段を上り、2階に上がります。カピオラニ王妃の寝室では、明治天皇にいただいたブロンズの花瓶、カラカウア王の寝室、カラカウア王の執務室、音楽室をまわり、最後に2階の広間で明治天皇から贈られた葵の紋の入った徳川家のティーセットなどを見てツアーは終わります。
もっともっと詳しくツアーは続きますが、残りは是非実際のツアーでお楽しみください!

葵の紋が入った徳川家のティーセットもあります

英語ですでに開催されているツアーには、ホワイトグラブツアーという、王座の間や執務室なので普段は見ることのできない文献などを白い手袋をした歴史家による説明付きものがあります。このツアーでは屋根裏の倉庫も行けます。

もう一つは地下の執事の部屋の中に入り、詳しく普段では見ることのできないところを見れる特別ツアーです。

新しいツアーはどれも4名限定ツアー。大勢のツアーとは違い、もっとパーソナルで、ドーセントからもっともっと歴史や文化を詳しく学べるツアーになっています。今の世の中が落ち着いて、またハワイと日本が自由に行き来できるようになりましたら、是非遊びにいらしてください。首を長くしてお待ちしています。

アン

イオラニ宮殿
カラカウア王特別ツアー「Hawaii Royal Coneection to Japan Tour」:

場所:364 South King Street
営業時間:通常のドーセント(ガイド)ツアーは水曜日、木曜日のみ(すべて英語)
オーディオツアーは水曜日から土曜日
*時間や曜日は現在かなり流動的なので必ずウェブサイトで確認してご予約ください。
パレスショップは水曜日から土曜日の8:30-16:00(こちらも流動的なので必ず連絡してから行かれてください)
Tel: 808-522-0822(英語のみ)
ウェブサイト:https://www.iolanipalace.org(英語のみ)
館内はマスク着用です。

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。