アローハ!

今月は4年振りにホノルルフェスティバルがホノルルで開催されます。こちらに私も4年振りにハワイアンキルトを出展させていただくことになりました。フェスティバルのハイライトである、カラカウア大通りのパレードも開催です。やっと、やっとハワイが元の姿に戻りつつある嬉しいイベントです。来月はその様子をご紹介いたしますね。さて、みなさまもご存知の通り、ハワイ主要8島にはそれぞれ花と色があります。今日はモロカイ島の花であるククイフラワーについてお話しさせていただきますね。

ククイフラワーのウォールハンギングappliqued and quilted by Sawako Igarashi

ククイフラワーのウォールハンギングappliqued and quilted by Sawako Igarashi

モロカイ島はオアフ島から一番近いところに位置した、ハワイの本来の姿が残った島です。島の北側のカラウパパは、その昔ハンセン氏病患者が隔離されたという歴史もあります。ここで渾身的に介護に当たったベルギー出身のダミアン神父もここで亡くなりましたが、2009年にはバチカン市国より聖人と認定されています。モロカイ島の花はククイフラワーであり、ククイツリーはハワイ州の木と認定されています。島の色はグリーンです。

かなり前に取材でモロカイ島に行ったことがあるのですが、ミュールライドと言ってラバで崖を降りて行き、カラウパパに行けるというツアーがありました。あまりにも断崖絶壁だったのでツアーには参加せずに帰ってきました。今となってはなくなってしまったミュールライド。普段あまり後悔はしないのですが、このツアーに参加しなかったことを今でも大きく後悔しています。

ククイフラワーのクッション

ククイフラワーのクッション

ハワイ州の木であるククイはポリネシア人によってハワイに持ち込まれた伝統植物で、実の部分に油分を50%含んでいるため、キャンドルとして使われました。花、葉、幹、枝、根のあらゆる部分が暮らしに役立ったことから、ハワイでは生活に重要な植物として認定されました。5mmほどの花びらを持つ小さな花は集合体になっており、メイプルに似た葉は繊毛があり明るく光ります。また、直径5cmほどの緑の実の中には黒い(または茶や白)種があり、磨いたものがレイに使われます。

私のハワイアンキルトのパターンには花の他に、特徴的な形をしているククイの葉と実も足してみました。花の細かさを表現するために飾りキルトでより細かくキルティングしました。伝統的なハワイアンキルトはエコーイングキルト(波のような)を施しますが、コンテンポラリーキルトは本物の植物のようにリアルにキルティングすることもあります。

ククイフラワー

ククイフラワー

ククイの葉と実

ククイの葉と実

ククイフラワーのベビーキルトappliqued and quilted by Sachiko Hanasawa

ククイフラワーのベビーキルトappliqued and quilted by Sachiko Hanasawa

ベッドカバーは2m角の大きな作品です。小さい花びらのククイフラワーは、この大きなベッドカバーに320個の花を描きました。その個数のためベッドカバーの完成には通常の1.5倍の時間がかかりました。また、糸も通常のベッドカバーよりも二巻以上多く必要となりました。ハワイアンキルトのデザインはその植物の花、葉、実、茎、枝などバランスよく取り入れて描きます。小さい花以外にも特徴的なメイプルの葉のようなククイの葉と今でもレイなどに使われる実も描いてみました。

白地に少し青みがかかったラグーンのアップリケを施したベッドカバー appliqued and quilted by Sawako Igarashi

白地に少し青みがかかったラグーンのアップリケを施したベッドカバー appliqued and quilted by Sawako Igarashi

白地にモロカイ島の色グリーンを組み合わせたモチーフだとはっきりしたコントラストになりますが、薄いグリーンと濃いグリーンの濃淡で組み合わせると落ち着いた感じになり、全く印象が変わります。私のキルトは伝統的なハワイアンキルトで使われる2色の無地使いなので、モチーフがより一層浮かび上がります。
3月11日&12日開催されるホノルルフェスティバルのハワイコンベンションセンターではこのククイフラワーのベッドカバーを始め、8島のウォールハンギングをすべて展示させていただきますので、お楽しみに!

本物の花を観察してから、花の中のキルティングラインや、可憐な様子をより細かく表現してみました。写真で見た植物からクリエイティブになるのと、本物を手にとって観察しクリエイティブになるのとでは、根本的に意味が違うこともよくわかりますよね。ハワイから日本へ本物のお花をお持ちすることはできませんが、この写真をよく見ていただき、みなさまなりにハワイアンキルトのキルティングを楽しんでくださいね。

アン

 

ホノルルフェスティバル

ハワイアンコンベンションセンターにてアンのハワイアンキルトを出展いたします。

3月11日(土曜日)10時から午後6時

3月12日(日曜日)10時から午後3時

入場無料

Craft Fair & Exhibition || Honolulu Festival

Enjoy our Craft Fair with over 100 booths from Japan, Hawaii and other Pacific countries.Craft Fair is a great opportunity for you to see some great c...

Honolulu Festival

 

Hawaii Convention Center

March 11 (Saturday) 10a-6p

March 12 (Sunday)  10a-3p

Admission:  Free

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。