春らしい暖かな日差しになり、桜の季節ももうすぐですね。この季節、お花見をしたいけれど花粉症が・・、という方も多いのではないでしょうか(私もその一人です)。ハワイなら花粉症の心配もせずに、お花見ができるのですが。ということで、ハワイでよく見かける花をご紹介する3回目です。

プルメリア

プルメリアはハワイのイメージにぴったりの花です。白、黄色、ピンクや濃い赤など花の色のバリエーションが多く、花持ちが良くて香りもすばらしいので、ハワイではレイの花材としてよく使われています。
プルメリアは中南米が原産で、ハワイには19世紀半ばに来た植物です。主に挿木で増え、生長すると高さ4、5mほどの木になります。
実は私も挿木でプルメリアを育てていますが、何度か失敗してしまいました。ハワイの友人に「また失敗しちゃった」と伝えると「ハワイなら、枝をカットして地面に挿しておくだけでいいんだけどね」と言われたことがあります。それほど簡単ではないかもしれませんが、プルメリアはハワイでよく見かける植物です。
ハワイでは空港や土産店でも、挿木用のプルメリアを販売していますが、現在はプルメリアの苗木や穂木は、日本向けの検査証明書がないものは、輸入できなくなったそうなのでご注意下さい。

青空に映えるプルメリア

青空に映えるプルメリア

さて、可憐なプルメリアですが、ハワイでは「死者の花」と呼ばれる事があることも、注意しなくてはいけません。これは東南アジアやインドでは寺院に植えられることが多いプルメリアを、ハワイでは「墓地に植える花」と考えたからだと言われています。またプルメリアは世話をしなくても育つので、ハワイでは墓地に植えたり、手に入りやすいプルメリアをお葬式に使うこともよくあるそうです。
とはいえ、プルメリアはかわいい花です。ちょっと耳にかけて飾ってみたくなるでしょう。でも、ここでも注意しなくてはいけません。プルメリアの花を右の耳に飾ると「独身」、左の耳に飾ると「既婚」又は「恋人がいます」という意味になるそうですよ。
最も注意しなくてはいけないのは、プルメリアには毒性があることです。プルメリアの枝を切ると、白いネバネバした樹液が出てきますが、これは皮膚炎を引き起こす事があります。プルメリアの花を耳に飾るときは、切り口を水で洗うようにしましょう。

可憐なピンクのプルメリア

可憐なピンクのプルメリア

アンスリウム

アンスリウムは、その形から愛の花と言われ、アメリカではプレゼントにも人気があるそうです。ハート型の花びらに見える部分は、苞という葉が変形したもので、アンスリウムような大型のものは仏炎苞と呼ばれています。この仏炎苞はアンスリウムのようなサトイモ科の植物に見られる特色だそうですが、アンスリウムの葉もサトイモのようなハート型をしていますね。

ヒロ・ファーマーズ・マーケットで販売されるアンスリウム

ヒロ・ファーマーズ・マーケットで販売されるアンスリウム

さて、ハワイでアンスリウムを一番よく見かけるのは、ハワイ島ヒロのファーマーズ・マーケットでしょう。
アンスリウムと言えば赤、と思いがちですが、ヒロのファーマーズ・マーケットでは実に様々なアンスリウムを見る事ができます。ピンク、白、緑、紫、ミズバショウのような小さなものや、手のひらよりも大きな苞のもの。この様々な品種は、主にハワイ島のパホア、ヒロ、マウンテンビューなどの地区に住む、日系人によって改良されたものです。
19世紀後半にハワイに来たアンスリウムが、観賞用として広く栽培されるようになったのは20世紀半ば。日系人によって、多くの品種が生まれました。アンスリウムの呼び名には「オバケ」や「ミドリ」などの日本語が残っています。

オバケと呼ばれるハイブリットのアンスリウム

オバケと呼ばれるハイブリットのアンスリウム

カウアイ島で、アンスリウムの農園を見せて頂いたことがあります。アンスリウムは強い日差しに当たると変色してしまうことがあるそうで、日除けの網の下、大切に育てられていました。日系の農園主さんが、緑と白のグランデーションの大きなアンスリウムを「オバケ」と呼んでいたのを思い出します。

カウアイ島のアンスリウム農園

カウアイ島のアンスリウム農園

プロテア

豪華なキング・プロテア

豪華なキング・プロテア

プロテアは南アフリカやオーストラリアが原産の花です。ハワイに持ち込まれたのは遅く、1960年代にカリフォルニアから、マウイ島クラ地区にあるハワイ大学の実験場に植えられました。クラの環境はプロテアに適していたので、カリフォルニアよりも早く開花したそうです。以降、クラではプロテアの栽培や品種改良が盛んに行われています。
花持ちが良く、ドライフラワーにしても花が崩れにくいプロテアは、人気の花です。大きな花を咲かせるキング・プロテアや、丸くかわいいピンクッションなど、様々な品種が栽培されています。ホテルのロビーなどで大輪のプロテアが活けてある様子を見かけると、とてもゴージャスな感じがします。

ハワイ島ワイメアのファーマーズ・マーケットで見つけたプロテア

ハワイ島ワイメアのファーマーズ・マーケットで見つけたプロテア

ハワイ島のコハラ地区も、プロテアの栽培が盛んだそうです。ハワイ島ワイメアのファーマーズ・マーケットでもプロテアが販売されていました。
でもプロテアと言えば、やはりマウイ島のクラ地区でしょう。ハレアカラへ向かう道沿いにも、見事なピンクッションの花を見つけたことがあります。アリイ・クラ・ラベンダー・ファームでは、たくさんのプロテアを見る事ができました。豪華で品があるピンクのキング・プロテアは、マウイ島のイメージにぴったりの花ですね。

花盛りのピンクッション

花盛りのピンクッション

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筆者プロフィール

NOPU
NOPU
ハワイは20年来、ネイバーアイランドへのリピーター。バードウオッチと植物観察が好きで、ハワイでもトレッキングをしながら探鳥を楽しんでいる。ローカル・レストランと古い建物の探求、地元のイベントに参加することも好き。
ALOHA NOPU:http://www.alohanopu.sakura.ne.jp/