アローハ!
ハワイではメイディはレイディです。5月1日は毎年カピオラニ公園で「レイディ・セレブレーション」が開催されます。カピオラニ公園内のバンドスタンドでは、カメハメは3世により結成されたホノルル市営のロイヤル・ハワイアン・バンドというオーケストラが音楽を奏でます。またたくさんのフラダンサーやハワイアンバンドによるエンターテイメントも楽しめます。今日はその様子をご紹介いたしましょう。
1920年代、ハワイでは、蒸気船がハワイの島々に立ち寄るようになりました。船からの旅行者を歓迎する品として花の首飾りであるレイを贈っていました。ダウンタウンのホテルの桟橋や歩道に並ぶレイ販売者が増えたとき、詩人のドン・ブランディング氏が花のレイを祝う日を設けるべきだと考え、ハワイの新聞社「ホノルル・スター・ブルテン」(現:ホノルル・スター・アドバタイザー)のコラムニスト、グレース・タワー・ウォーレン氏とアイディアを出し合い、1927年5月1日のメイディに提案したことより「May Day is Lei Day(メイディはレイディ)」というフレーズが生まれ今日に至ります。その翌年の1928年に初めて公式なメイディ・イベントが開催され、その次の年の1929年に当時の知事が公式にレイディと決めたそうです。その後パレード、イベント、エンターテイメントなどもレイディには開催されるようになりました。
ハワイでは「ウェルカム」「おめでとう」「さよなら」など、様々な想いを込めてレイを贈ります。レイはハワイローカルの人たちの間では習慣のように常時身近にあるアイテムになっています。愛情や友情、アロハを象徴し、あげる人ももらう人も、とてもハッピーな気持ちになる素晴らしい贈り物です。ちょうど5月はアメリカでは卒業式のシーズンなので、町中のレイのショップはどこも長蛇の列ができます。そして卒業生たちは首も見えないくらいにレイをかけられているのが、ハワイの卒業式の恒例となっています。日本は本土では花束をと考えますが、ハワイの伝統は少し違いますね。お花が常夏の島でいつも咲いていることからこのような形態になったと考えられますが、本当に素敵な習慣だと思っています。
レイには色々な種類の植物を使われるのが主です。植物によっても意味が色々と違ってきます。また生の植物、特に花などは1日経つと茶色に変色してしまったりしますので、人に贈る日に買わないといけないものです。そうすると今の時期、レイを売っている花屋さんの前は大行列になります。先日も運転中に大行列の花屋さんをいくつも目にしました。長持ちするものでもないので、レイをいただいた時はその日お家に帰るまで付け、贈ってくださった方々の思いをいただきます。そしてその後は自然に返すか、冷蔵庫に入れて次の日も楽しみます。お墓参りに持って行くこともあります。バラバラにして水に浮かべてお花を楽しむこともしたりします。植物以外だとハワイ州に定められているククイナッツツリーのククイナッツのレイ、小さい貝殻をつなげたプカシェルの例などもあります。また、王室のシンボルであった鳥の羽を使用したフェザーレイもあります。頭に飾るハクレイなどもあります。最近ではキャンディ、お酒のミニボトルなどを入れたレイ、リボンレイなどもとても人気ですね。
レイディ・セレブレーションではレイのコンペティションも行われています。
コンペティション用のレイもたくさん飾られていていました。生のお花と少しドライフラワーになっている花などを巧みに編み込み、手の込んだ素晴らしいレイがたくさん並んでいました。
レイの他、ラウハラ編みで作られた帽子、ヤシの葉で作られた帽子。ネックレス、洋服などクラフトブースも充実していました。そして食べ物ブースもたくさん出ていました。丸一日家族で楽しめるイベントとなっています。土日でも休日でもないレイディにたくさんの人たちが集まっているのは、さすが祝日並みのイベントだと思いました。
この時期にハワイにいらっしゃることがあれば、是非レイディを楽しんでいただければと思います。
カラカウア王の妹さんであったリケリケ王女の旦那さんであったアーチボールド・クレッグホーン氏はスコットランド人で、造園に深い造形があった方だったそうです。その方が植えたと言われるカピオラニ公園のアイアンウッドの木も大きく聳えています。このアイアンウッドが両脇にある小道は、当時の面影が残っているものだと思っていて、その当時のカピオラニ公園を思い起こされる気がしてなりません。目を閉じて、風の音を聞いっていると、タイムスリップした気持ちになるのは私だけなのかなと思ってしまいます。
アン
伝統的なハワイアンキルトを学びたい方は、リニューアル・オープンした私のサイトを是非ご覧ください。
→ https://www.anne-hawaiianquilt.com
筆者プロフィール
- アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。
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