場所
東京の裏道にカフェではなく、ハワイアン・レストラン、しかもアッパーカジュアルレストランを見つけるのは、どれほどすばらしい発見でしょう。ようこそ、「No Reservations, International Diner」へ。東京・人形町の裏道に隠れたこのレストランは、ハワイ(そして世界)で有名な「アラン・ウォン」に関係があるそうです。これは本当なのか、それとも策略? ウェブサイトでメニューをチェックしてみると、確かに「アラン・ウォン」で出しているようなメニューも見受けられます・・・でもロコモコも。アラン・ウォン氏の「パイナップルルーム」?!?!
店内は広めのボックス席とテーブル席、そしてオープンキッチンに面したカウンター席があります。装飾、そして雰囲気は「アラン・ウォン」のようなコンテンポラリーハワイアンのように感じました。ここまではとてもすばらしい。まるで特別な空間にいるような感じがします。そして尋ねてみたら、料理長は実際に「アラン・ウォン」で4年間働いていたとのこと。判断基準が上げられました。^^
サービスと厨房
メインダイニングは、厨房スタッフのヘルプととても感じのいい女性スタッフが場を切り盛りしていました。カウンターは厨房スタッフが料理を出していました。さあ、オープンキッチンで働くということは、お客さんが監視しているということです。ショータイム! 厨房スタッフは少なくとも感じよく、気遣いができて、温かくもてなしができなくてはなりません。僕は、これら全ての点で欠点に気づき始めました。仕事の性質上、サービス精神のある料理人というのはあまり聞いたことがありませんが、もしオープンキッチンを設けるのであれば、恐れやえこひいきなく、厨房にはこの点が最高のスタッフを置いたほうがいいでしょう。(僕の)トレーニングを受けた目で見ると、厨房で無意識に不衛生な行動をする料理人は問題視してしまいます・・・そしてここでもそうした行為を何度か目撃しました。外からは見えない厨房ではよくあることですが、ただ、僕はそうした行為は目にしたくありません。そしてドリンクを注文しようとしても、なかなかスタッフをつかまえられませんでした・・・少なくとも僕の空のグラスに気付いたスタッフはいなかったようです。
食事
僕はアラカルトを何品か注文しましたが、ハワイのローカルフードに比べたら、どれもとても感動的でした。アジア/パシフィックやハワイで定番の料理 ―― フリフリチキン、ポケ、そして、もちろんザ・ロコモコ ―― が、エレガントに仕上げられていました。僕は一番重要な料理を最後にとっておきました。アラン・ウォン氏のメインレストランではフルバージョンのロコモコは出していませんが、「パイナップルルーム」では提供しています。そして、僕はそこで食べたことがあります。残念ながら、そこのロコモコの味の構成やプレゼンテーションにはあまりいい印象はありませんでしたが、詳しくはまた別の機会に。
「No Reservations」で僕の前に運ばれてきたロコモコは、数年前にハワイの「パイナップルルーム」で僕が食べたのとまったく同じ盛り付けでした・・・興味深い。
幸い、僕は厨房が見えるカウンターに座っていたので、僕が注文したロコモコが調理される過程が見られました。パテは注文を受けてから作られ、パテと卵は鉄板で焼いていました。すべての食材が深皿に積み重ねられ、一番上には彩りを添える飾り付け ―― さあ召し上がれ! 感動的です。
サニーサイドアップ(卵)は完璧な焼き加減・・・フォークで割った瞬間に黄身が流れ出る光景は驚くべきものです。ここまではいいぞ。パテは100%ビーフでなかったので、基準に届きません・・・つまりミートローフでした。実際は、流れ出た黄身と混ざったため、つくねのような味がしました。でも鉄板で焼いたので、表面はいい焼き具合です。かかっているソースはグレイビーではなく、スモーク(?)のような風味が感じられるデミグラスソースで、ライスに浸み込み、皿全体が満たされていました。そのせいで、ロコモコのバランスが崩れてしまいました。重いソースやたんぱく質(肉)と調和を取るはずの乾いたでんぷん(ライス)またはしっとりしたもの(マカロニサラダ)がありません。上に飾られたトマトの角切りや青ネギ、玉ねぎが、パテと一緒に食べたら、なおさらミートローフのような味になりました。
評決
「No Reservations」が試みたロコモコのコピーには、少々がっかりしてしまいました。ほっとする食べ物をグレードアップさせるのはとても難しく、シェフなら誰でも挑戦して欲しいと思います。その挑戦がうまくいくこともありますが、たいていは失敗に終わってしまいます。ここのロコモコは、ほっとするような要素はまったくありませんでした。見た目はよく、食べられますが、オリジナリティーあるもの、または伝統的なものでも、僕が期待するような驚きはありませんでした。僕は「No Reservations」のシェフが「コンフォートフード」(ほっとする食べ物)とロコモコの本来の意味(「アラン・ウォン」ではすべての料理人に求められるように)をもう一度考えてくれるよう期待し、そして、有名な人のものをコピーするのではなく、オリジナルなものに挑戦して欲しいと思います。
僕の「No Reservations」のロコモコの評価は下記の通りです。
良い点
- 卵の調理は完璧。今まで食べた中で最高。
- パテはほどよい焼き色が付き、注文が入ってから作られていました。
- 高級なレストランにあったすばらしい盛り付け。
悪い点
- ソースはデミグラスソースで、美味しくリッチだったけれども、ほっとするようなではなかった。
- ライスにソース浸み過ぎていた ―― 料理のバランスを崩している。
- パテがビーフ100%でなく、もっとミートローフのようなつくねのような感じ・・・ふしぎ。
- 飾り付けがトマトとたまねぎのミックスで、パテをさらにミートローフのような味にしていた。
- ロコモコに対するオリジナルの試みで、ハワイのアラン・ウォン氏のパイナップルルームのまね。
- ライスがソースで浸されているのに、料理の調和を取るマックサラダ(マカロニサラダ)がなかった。
サービス: | |
盛り付け: | |
味: | |
値段: |
住所: 東京都中央区日本橋人形町1-5-12
03-3663-1512
http://no1512.com/
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筆者プロフィール
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