アロハ!

洪水、浸水注意報が発令中のカウアイからです。
カウアイはただいま雨季真っ只中で、
この時期は洪水浸水に見舞われる可能性が高くなります。
警報が出ても、だいたいは大ごとにならないまま過ぎていくことが多く、
まぁ何事もなく過ぎるだろうとあまり気にかけることもなくやり過ごしているのが現状です。

けれど、時たま、「うわ、本気のが来てしまった!」という時があって、
階下の床が浸水したりすると、ん~準備を怠ってしまったなぁと思うこともあります。

庭の周囲の土を掘って溝状にして、雨が道路へと流れていくようにしたり、
庭の周囲にブロックを積み上げたりと、洪水、浸水に備えての準備というのも、
なかなかにエネルギーのいるもので、けっこうな肉体労働になります。
そういうアレコレをして、結果、そんなに大ごとにならずに済んだな~と思うことが9割。

無事に済んだあとに、元の状態に戻すのにもまたエネルギーがいることを思うと、
最小限の準備だけで済ませておこう、という選択をしていることがほとんどです。

そんな中、豪雨や浸水注意報が出るたびに、毎回毎回しっかりと準備をするのが、
日系人ファミリーのお宅です。ん~マメだなぁと思い、いつも感心させられます。
「備える」「未然に防ぐ」ということがしっかりと身についているのだな~と思います。

これを書いているいまも、道向こうの日系のご近所さんは「カンカンカン」と音を高鳴らせて、
洪水浸水第二波に備えて作業中です。
日系の方々はいろいろなことをこうやって未然に防ぐということに長けていることで知られています。
日本人の文化 ... いえ、もしかしたら日本人移民の文化なのかもしれないですね。

レインボーステイト(虹の州)と呼ばれているハワイですが、
これは虹が頻繁に架かる場所、ということでつけられたものです。
それに加えて、多くの人種が混ざりあっている暮らしている様から、
ハワイはレインボーステイトや、プレートランチ(色々な種類のおかずがひと皿に盛られているもの)に
例えられます。いろいろな色、いろいろな種類が混ざっている場所ということです。

ハワイアン、中国、韓国、日本、フィリピン、ポルトガル、プエルトリコからの移住者が、
ちょうど同じくらいの割り合いでハワイの人口を形成していた時代には、
これらの国が、近代ハワイを彩る七色の虹と言われていたようです。
ここ20年はその人口比率も、移住してくる人種もどんどん変化をしていっています。

我が家がある通りに並んでいるおウチを考えただけでも、
アメリカ人のお宅(メインランドからの移住者、息子はハワイの生まれ育ち)、
我が家のようにアメリカ人(ハワイの生まれ育ち)&日本からの移住者(私)の組み合わせ、
日系アメリカ人(日本姓で、日本人以外の血は混じっていない)のお宅、
サモアンのお宅、ポリネシア系がいろいろ混じったお宅 ...
とほんとうに多くの人種が集まっています。

先日、週末のカフェでダンナさんの古くからの知人に出会いました。
彼はニュージーランドの人で、カウアイ島に住んでいた時に、
ダンナさんとサーフスポットで顔を合わせていた人です。

「キラウエアベーカリー」常連でいっぱいの古くからのベーカリー。 こういうローカルカフェが生き残ってくれるように祈るばかり

「キラウエアベーカリー」常連でいっぱいの古くからのベーカリー。
こういうローカルカフェが生き残ってくれるように祈るばかり

「あれ、カウアイにいるの?」と聞くと、
「いや、いま一時的にカウアイにいるだけなんだ。息子を訪ねてね」と。
いまは基本的にはフィジー島に暮らしていて、
定期的にニュージーランドに帰り、時々、息子たちを訪ねてカウアイに来る ... らしいです。

どこが一番住み心地がイイの? と聞くと、
ん~、フィジー島だなぁと言っていました。
「だって、カウアイ島は人で混み合っているだろ?」という彼。
「え、カウアイ島が人で混み合ってる?」と、ビックリして聞き返す私。
20~30年前までのハナレイビーチにはせいぜい20人くらいがいただけだよ。
いま、ハナレイに行ったらどれだけの人がいるか。20人なんて軽く超えるよ。
それから、いま、この島にどんなストーリーがある?
ほら、このカフェの混み合い方がもう語っているよ。
(日本の人が見たら、それはまったく混み合っている状態ではないのだと思います。笑)
いい波があるとか ... まぁそこは大きな魅力だけど ... フィジーは混み合っていないからさぁ。

週末カフェはワンコたちの交流の場でもあります。

週末カフェはワンコたちの交流の場でもあります。

はしょってはいますが、ともかく彼にとってカウアイはすでに人で混み合っている場所なのです。
カウアイ島を太平洋に浮かぶ、小さな小さな大自然が広がる島 ... としかカテゴライズして来なかった私には、なんとも新鮮な価値観(!?) で、ワハワハ笑いながら、彼の話に聞き入ってしまいました。
そんな風にいろいろな土地を行ったり来たりしながら暮らすということも身軽で楽しそうだな~と思いながら。

先祖代々から受け継いだ土地にしっかりと根をおろして暮らす人。
世界のあちらこちらを行き来しながら、移動しながら暮らす人。
それぞれの人生で何に「価値を置く」か。何を「シアワセ」と感じるか。
ほんとうに "人が求めるもの、価値を置くもの、大切に思うこと" は違うのだということを
ここに移住してからの20年間で、ゆっくりと、でもしっかりと身につけて来たように思います。
それから、どれが正解とか不正解ではなく、ただただ違うのだということを、
このさまざまな人種が入り乱れる土地に来て、日々経験してもいます。

このスペース感。カフェから少し離れたテーブルでゆったり。 一緒に話していた彼はこのすぐ隣のテーブルを1人でゆったり。 そんな状態で「人で混み合っているよね〜」と話す光景がとても 可笑しかった朝のひとときです

このスペース感。カフェから少し離れたテーブルでゆったり。
一緒に話していた彼はこのすぐ隣のテーブルを1人でゆったり。
そんな状態で「人で混み合っているよね〜」と話す光景がとても
可笑しかった朝のひとときです

何がスィッチになったのかはわからないのですが、
ここ最近になって、フーッと肩からチカラが抜けるように、以前は今思えばただ頭でわかっていただけの、
人はそれぞれ違うということ。
そして「違っていて、いい。違うっておもしろい」ということを
以前よりも深いレベルで実感して、受け入れて、その考えが自分のものになっているように思います。
そしてそれは、平和的な世界への一歩なのじゃないかなと思います。
その上で、自分が守りたいものを守ればいい。そういう風に思います。

週のほとんどの時間は、スケジュールに入れるような、時計の針とともに動いていく時間です。
週末のカフェタイムは、朝のひんやりした空気の中、
ゆったりまったりと時間が流れるひとときです。
隣り合った席の人と思わぬ話になったり、再会したり、出会ったり。
この時間にはお尻を設けずにいたいなぁと思っています。

あいかわらずにコロナ関連の状況で先の見えないことも多い現状ですが、
1人でも多くの方が笑顔でいる時間がたくさんあるようにお祈りしています。


たくさんの差別や偏見が少しでも減りますように。
動物や植物、自然、いろいろないのちが敬われていきますように。
ニンゲン以外のいのちやシアワセも考える社会にシフトしますように。

どうぞみなさんも窮屈さに心身をゆだねることなく、笑って日々を過ごされていますように。
このページで言葉を通じてみなさんと繋がれる時間が少しでも長く続きますように。

カウアイより、心からのアロハを込めて。

※墨アートなるものを描いてメッセージとともにインスタグラムに投稿しています。

アカウント名 minori_kauai
インスタをされている方、よかったらのぞいて見ていただけたら嬉しいです。
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筆者プロフィール

ミノリ エヴァンス
カウアイ島に通いつめ、ついに永住してしまったハワイ大好き娘。日本ではアウトドア活動をばりばりやっていただけあって、カウアイ島のおもしろスポットについてはしっかりとチェックしている。連載に乞うご期待!

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