アローハ!今年の夏は特別暑く、皆様お元気でしたか? ハワイも今年の夏は年々暑くなっているような気がします。イオラニ宮殿の日本語ツアーは現在毎週水曜日と木曜日の午後3時30分から開催しています。私の担当は第二、第四水曜日のツアーとなっています。今日はイオラニ宮殿2階にあるカピオラニ王妃のベッドルームのキルトをご紹介いたしましょう。
イオラニ宮殿内を見学するためには、ツアーに参加していただくことになります。イオラニ宮殿の2階はプライベートの空間で、王や王妃のベッドルームなどがあります。ガイドツアーでは館内最後の案内がカピオラニ王妃のベッドルームにです。赤いバラが大好きだった王妃の部屋は赤いベッドカバーを中心に赤で装飾されています。王妃のベッドのシルクサテンのベッドカバーも枕もすべて王妃のオリジナルであり、カピオラニ王妃のモットーである「Kūlia i ka Nuʻu」(最善を尽くす)の刺繍がベッドカバーにも枕にも施されています。ベッドの装飾には金の塗装もされています。
カピオラニ王妃が戴冠式の時に着たドレスとガウンの複製品は1階の王座の間に展示してありますが、こちらのガウンはボランティア達も制作のお手伝いをさせていただきました。以前の記事がありますので、こちらご覧くださいね。カピオラニ王妃・戴冠式のガウンとローブの複製作業(https://pacificresorts.co.jp/kawaraban/quilt/queens-gown-and-robe/)ベッドカバーのデザインにも使われているシダの葉もこちらのガウンに使われています。
このような要素を取り入れたのが、カピオラニ王妃のベッドルームのハワイアンキルトのデザインになります。このキルトを完成されたのは中島由紀子さんで、長い間ハワイアンキルトをやられています。飾りキルトというデザインの上に施すキルティングラインはそれぞれのキルターのセンスになりますが、このハワイアンキルトもイオラニ宮殿のデザインを忠実に表現しています。特に悩まれたのは、カピオラニ王妃の『K』のキルティングラインで、本物に忠実にと思いを何回も巡らせてくださったそうです。ベッドカバー製作で気をつけたことは実物のベッドカバーが存在するので、なるべく掛け離れた雰囲気にならないようにされたそうです。また、カヒリの飾りキルトもハワイ王国のシンボルである鳥の羽を表現しています。キルティングは悩みながら時間もかかったそうですが、ずっとずっと楽しい思いで作り続けられていたとのことです。デザイナー冥利に尽きますね。王妃が大好きだった赤いバラをロケラニローズのデザインを使い、ボーダーの部分にたくさん飛ばしました。4つのコーナーには天井にデザインされた百合の紋章のようなものをデザインしました。
去年11月の横浜みなとみらいのギャラリーで初めて完成作品を見させてもらいましたが、実物はもっともっと素晴らしい出来栄えでした。キルトラインを見ると作り手の気持ちが伝わります。そしてイオラニ宮殿を愛し、ハワイアンキルトを愛している作り手の気持ちがストレートに伝わります。みなさんにもこんな風にハワイアンキルトを作っていただきたいと思います。
テーマがあって描くデザインはすいすいと描くことができます。長いこと毎週観察していた場所だと描きたいことが山ほどあり、その中から抜粋するのも大変な作業でした。他の部屋のキルトのデザインもありますので、追ってお伝えしていきたいと思います。
アン
イオラニ宮殿
日本語ツアーは毎週水曜日、木曜日の午後3時半から
https://www.iolanipalace.org/visit/tours-admission/guided-tours/
ロイヤルコネクションと日本ツアー(日本語)
水曜日の午後1時15分から
https://www.iolanipalace.org/visit/tours-admission/hawaii-royal-connection-japan/
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