アローハ!

新しい年を迎えました。今年のお正月はいかがでしたか? 今年も一針一針ちくちく、ハワイアンキルトに邁進しましょう。さて、みなさまもご存知の通り、ハワイ主要8島にはそれぞれ花と色があります。今日はハワイ島の花であるレフアをご紹介いたしましょう。

レフアのベビーキルト: Appliqued and quilted by Sawako Igarashi

レフアのベビーキルト: Appliqued and quilted by Sawako Igarashi

ハワイ諸島の中でも最も大きいハワイ島は、ハワイ諸島を統一し、ハワイ王国を建国したカメハメハ1世誕生の島です。また、4000mを超える大きな山、マウナケア山、先月に噴火をしたマウナロア山、そして今月火山活動が盛んになったキラウエア火山もあり年々島が大きくなっています。ハワイ島の火山には火の女神ペレも住むという神話や伝説もあります。ハワイ島の花はオヒアレフア。レフアは繊細な針のような花なので、一度見ると忘れることができません。ハワイ島の色はレフアの花の色でもあり、火山の色でもある赤です。

オヒアレフア

オヒアレフア

オヒアレフアの木の高さは20 〜30cmから30mを超すものまで、多様化しています。よく見るレフアの花は赤が多いですが、黄色、 白、オレンジ、クリーム色、サーモン色もあります。花と葉はレイにも使われます。また、フラの世界では、キラウエアの女神ペレの化身 「キノラウ」として敬われています。毎年春にハワイ島のヒロで開催されるフラの祭典「メリー・モナーク」の前には、必ずダンサーはキラウエア火山の女神ペレに敬意を表して祈りを捧げに行きます 。これは大切な行事であり、その時に必ずお供えするのは神聖なレフアの花になります。オヒアレフアはワイキキにもところどころにあり、タンタラスのトレイルや、マノアのライアン演習林、エマのサマーパレスのガーデンで見る事ができます。ハワイ島に行くと、ワイメアの駐車場などのいたるところで見つけられます。また、キラウエア火山の国立公園内には、 たくさんのオヒアレフアがあります。オヒアは過酷な条件の土地や環境でも生命力を発揮します。溶岩が流れた後に、通常コケ類などがまずは育ちますが、シダ類に続き、オヒアも根を付け育ちます。ここからもハワイ島シンボルの花となったようです。レフアの花には蜜がたくさんあり、イイヴィ、アパパネなどのハワイミツスイ(鳥)などと共存しています。

レフアの花

レフアの花

オヒアレフアは同じ植物ですが、オヒアは木、レフアは花が一緒になった植物でたくさんの伝説があります。 ある説には、若い男と女が恋に落ち、火の女神ペレがその二人に嫉妬を燃やし、若い男を醜い木(オヒア)に変えてしまいました。それを見た別の神様(ペレの弟と言われている)が不憫に思い、若い女をレフアの赤い花に変身させ、オヒアに付けてあげたという伝説です。これにより、赤いレフアの 花を摘むと、離れ離れになる二人を悲しむかのごとく、雨が降ると言われています。そんな切ない思いも寄せながら、一針一針ちくちくするのも素敵です。

レフアのベッドカバー:Appliqued and quilted by Yoko Kimura

レフアのベッドカバー:Appliqued and quilted by Yoko Kimura

ハワイアンキルトのモチーフは1/8の大きさでパターンを作るのが伝統的です。クッション、ウォールハンギングやベッドカバーは1/8の大きさのパターンをトレースし、8枚一緒にカッティングします。ベビーキルトは長方形になので、1/4のパターンになります。すべて白地に赤を使った伝統的な色使いをしています。

今作成中のキングサイズのベッドカバーは、以前ハワイ島に住んでいた時に、キラウエア国立公園でのインスピレーションをデザインにしました。オヒア・レフアの植物の根元にはたくさんのアマウやハープウなどのたくさんの大きなシダが茂っています。この植物と火山のコンビネーションにしました。今年中には完成予定なので、お楽しみにしていてください。

レフアのウォールハンギング

レフアのウォールハンギング

レフアのクッション

レフアのクッション

自分の目で見る植物や花は貴重です。ハワイに来ていただき、直接自分の目で見て、観察していただくこともとても大切だと考えています。今年は是非ハワイに来ていただき、本物の植物をご覧くださいね。お待ちしています。3年振りにホノルルフェスティバルがハワイで開催されます。今年もコンベンションセンターにてキルト展の開催が決まりました!この機会に是非、伝統的なハワイアンキルトを見にいらしてくださいね。(3月11日&12日)

アン

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。