ハワイ州知事の公邸、ワシントンプレイス

ワシントンプレイスはハワイ州知事の公邸になっています。元々はリリウオカラニ女王の旦那さん、ジョン・オーウェン・ドミニスさんの実家でした。
その時代のハワイアンキルトは文献や歴史書などには残っていませんが、その後、どのようなキルトが飾られていたのか、ここでリリウオカラニ女王がどのような音楽を楽しんでいたのかなど、リアナ・ウィリアムさんの本に基づき、ご紹介します。

ワシントンプレイス

ワシントンプレイス

実は以前、ワシントンプレイスをご紹介していますが、この度リアナさんの本を読み、より詳しいハワイアンキルトの内容がわかりました。

詳しいことは2009年と2013年にご紹介したワシントンプレイスをご覧ください。
> https://www.pacificresorts.jp/webkawaraban/quilt/090521/
> https://www.pacificresorts.jp/webkawaraban/quilt/130718/

前にもご紹介したメアリイ・カラマさんが後ほどになって作り寄付した、リリウオカラニ女王の大好きだったクラウンフラワーのデザインのハワイアンキルトは、女王が亡くなるまで使っていたと言われているコアのベッドにかけてあります。いつも絶対に綺麗に写ることのないキルトですが、色もどんどん褪せていて、今ではあまり花の色も綺麗には見ることができなくなっています。
リアナさんの本によれば、1966年のワシントンプレイス改修時に色々、新しいキルトが公邸内に設置されたとのことですが。その中の一つが、このクラウンフラワーのキルトで、当時500ドルで購入しベッドに飾ったとのことです。1943年時にはテレサ・クィンさんにより作られたロイヤルカヒリのデザインで白地に黄色のシルク素材のハワイアンキルトが飾られていたと記してあります。
実は2枚のキルト、つまり夏用と冬用のキルトが存在していたそうです。
2枚ともその当時の知事の妻、イングラム・スタインバックからの注文で、ハワイアンキルトの作成はワシントンプレイスでの作業としたそうです。テレサ・クィンさんは毎日ビンガム・ストリートの家からワシントンプレイスに通い完成させました。
また、中のキルト芯は、パーカー牧場から寄付されたウールが使われたとのことです。この時のキルト芯は白い芯のほか、黒い羊の毛も入っていたそうです。
白と黄色のカヒリキルト以外は、本の中に記載がありませんので、これが夏か冬のキルトだったかはわかりません。
同時に1959年のベッドの写真にはシルクコットンの無地にベッドカバーに、タパだと思われるマットが一緒に写っていたそうです。これはまだハワイに生地がなかった昔のものだと言われています。

1943年当時のロイヤルカヒリのハワイアンキルト courtesy photo by Rianna William's

1943年当時のロイヤルカヒリのハワイアンキルト courtesy photo by Rianna William's “Queen Lili'uokalani, the Dominis family, and Washington Place, their home”

“Queen Lili'uokalani, the Dominis family, and Washington Place, their home” , 1966年からのクラウンフラワーのハワイアンキルト

1966年からのクラウンフラワーのハワイアンキルト

リリウオカラニ女王は生涯、音楽を愛していました。日本でも一番と言われるほどハワイアンソングの名曲「アロハオエ」が有名です。79年間の生涯、100曲以上も作られたほど音楽の才能に溢れていました。中でもイオラニ宮殿に幽閉されていた8ヶ月の間に、クイーンズプレイヤーという女王の心を謳った素晴らしい曲も作っています。ワシントンプレイスの正面の外にはアロハオエのブロンズ記念碑が置かれています。こちらは1929年9月に備えられました。女王が亡くなった後に、市民に呼びかけられ、一人1ドルよりも少ない寄付で作られたとのことです。作られた当時のレアな写真ですが、カラカウア王の旗もかけられています。この記念碑はツアーに参加しなくても、外にありますので、自由に見ることができます。
現在ワシントンプレイスは木曜日に一般公開をしていますが、予約のみ、英語のみ、そして知事がらみのイベントの時はキャンセルになることがありますので、事前にサイトから予約が必要になります。

ワシントンプレイスのサイトは
http://www.washingtonplacefoundation.org

1929年当時の記念碑 courtesy photo by Rianna William’s

1929年当時の記念碑
courtesy photo by Rianna William’s “Queen Lili'uokalani, the Dominis family, and Washington Place, their home”

“Queen Lili'uokalani, the Dominis family, and Washington Place, their home”, 現在も同じ場所に

記念碑は現在も同じ場所に

By アン

 

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。