梅雨入りの発表を聞くようになりました、雨の季節ですね。せっかくハワイに行ったのに雨の日が多かった、という方もいらっしゃるでしょう。ハワイに限らず、旅行で雨に降られるのはちょっと残念です。でも「NO RAIN, NO RAINBOW」という言葉もあるように、雨が降るのは仕方ありません。
さて、日本でも6月は雨の季節であるように、常夏の島ハワイでも雨が多い季節、更には雨が多い場所があります。今回のハワイ日和は、ハワイのネイバーアイランドのうちハワイ島の天気を考察(?)してみました。いつもの事ですが、経験に寄る私見が混じっている事をご了承くださいませ。

日本ほどはっきりした違いはありませんが、常夏と言われるハワイでも緩やかな季節の違いがあります。日本と同様に1月よりも7月の方が気温が高くなりますが、3〜5度違う程度の差です。むしろ一日の昼と夜の寒暖差の方が大きく感じられるでしょう。ハワイの雨季はだいたい11月ごろから3月と言われていますが、1月にハワイ島に滞在した時に、ほとんど毎日晴れていたこともあるので、やはり天気の良し悪しは時の運かもしれない、と思うこともしばしばです。

虹がのぞいている、雨上がりのワイルク川

虹がのぞいている、雨上がりのワイルク川

ハワイでは季節よりも、場所による天気の違いのほうが、大きいように思います。
ハワイ島の天気をざっくり言うと、島の東側では雨が多く、島の西側では雨が少なくなります。これはだいたいどこの島でも同様です。ハワイ諸島には北東から南西に貿易風が吹いています。この湿った風はハワイの島々で山にぶつかって、山の東側に雨雲を作るため、ハワイの島々では東側が雨が多くなるのです。
マウナケア山の中腹にあるオニズカ・ビジターセンターで、東側は一面の雲海でも、西側は雲一つない空を見たことがあります。東側から流れて来た雲は、ちょうどオニズカ・ビジターセンターの辺りで消えてしまい、西側はきれいな夕焼けが見えました。「貿易風とハワイの天気」の関係がよくわかる光景ですね。

マウナケアから雲の流れを眺める。写真の左が東側

マウナケアから雲の流れを眺める。写真の左が東側

では、ハワイ島の地域ごとに、お天気の傾向を見てみましょう。
ハワイ島の東にあるヒロは、雨が多い町です。ヒロに降る雨を表すハワイ語に「カニレフア(レフアを潤す雨)」という言葉があります。カニレフアは霧状の雨のことだそうです。ヒロではカニレフアらしい小雨に降られることも度々ありますが、小雨の降るヒロを散策するのは、ちょっと風情があるかも。それに一日中雨に降られることはあまりないので、雨あがりで涼しくなったヒロはホロホロ(ハワイ語でお散歩)するのにもいい感じです。
雨が多いためか、ヒロは肌寒く感じることも多いように思います。ヒロを散策する時は、折り畳み傘とちょっと寒い時に羽織れるものを持っていると万全でしょう。

雨上がりのヒロにかかるダブル・レインボー

雨上がりのヒロにかかるダブル・レインボー

ハワイ島を代表する観光ポイントであるボルケーノも、雨が多い場所の一つです。ボルケーノでハイキングをする時に、雨に降られるのはがっかりなので、天気予報をチェックして柔軟に予定を変えるのが一番良いのかもしれません。でもボルケーノも雨が一日中続く、というよりも、降ったり止んだりの雨が多いように思います。
それにボルケーノ国立公園はとても広く、ビジターセンターがある辺りと、チェーン・オブ・クレーター・ロードを下った海岸線の辺りでは天気が違う事がよくあります。海岸線方向からやってきたオープンカーが、どしゃぶりの雨の中、慌てて幌をかけている所を見た事があるので、オープンカーのレンタルを考えている方は気をつけてくださいね。

小雨のボルケーノをハイキング

小雨のボルケーノをハイキング

パニオロの町、ワイメア(カムエラ)は、虹の名所としても有名です。ワイメアは「ドライ・サイド(乾いた方)」と「ウエット・サイド(湿った方)」に分かれると聞きます。マウナケア山とコハラ山脈の間を抜ける貿易風は、ワイメアの東側に雨を落とし、西側では乾いた風になって吹き抜けていくからです。半分お日様、半分雨降りのワイメアの天気は、虹がよく出るわけですね。
標高800mを超えるワイメアは、涼しいことでも知られています。日が暮れた後、ワイメアでレンタカーの燃料が心細くなり、吹き抜ける強く冷たい風に震えながら給油したこともありました。ハワイでは寒さに備えることも、かなり重要です。

ワイメアにかかる虹

ワイメアにかかる虹

ハワイ島の西海岸はだいたいいつも晴れています。ワイコロアやカイルア・コナ、ケアウホウといったリゾート地区は、貿易風の風下にあたり、晴天率の高い地域です。ヒロで大雨でも、ワイメアで雨降りでも、ワイコロアまで来れば大抵晴れています。
ところでカイルア・コナでは晴れていても、すぐ山側にあるホルアロアの辺りは雲がかかっていることがあります。ホルアロアからホナウナウまで続くコナ・コーヒー・ベルトと呼ばれる一帯は、朝は日が照っていても午後には雲がかかることが多い地域です。この気象は、おいしいコーヒーができる理由の一つだそうですが、曇ったホルアロアからよく晴れたカイルア・コナを見下ろすと、ハワイの天気は本当におもしろいな、と思います。

ホルアロアからカイルア・コナをのぞむ。カイルア・コナは晴れていますが、頭上には雲

ホルアロアからカイルア・コナをのぞむ。カイルア・コナは晴れていますが、頭上には雲

最後に、ハワイ島で「本当に雨が多い」と感じる場所をご紹介します。
それは、ヒロからボルケーノへと向かうハイウェイ沿いの町、マウンテン・ビューです。何度もヒロとボルケーノの間をドライブしていますが、この町の辺りで雨にあうことがとても多いように思います。ワイパーを最強にするような大雨でも、ヒロに着いたら雨が降っていなかった、ということもありました。
マウンテン・ビューという地名なのに「雨で全然、山なんて見えない!」と思う事もあって、ハワイ島で雨、というとこの辺りを思い出します。

マウンテン・ビューの激しい雨

マウンテン・ビューの激しい雨

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筆者プロフィール

NOPU
NOPU
ハワイは20年来、ネイバーアイランドへのリピーター。バードウオッチと植物観察が好きで、ハワイでもトレッキングをしながら探鳥を楽しんでいる。ローカル・レストランと古い建物の探求、地元のイベントに参加することも好き。
ALOHA NOPU:http://www.alohanopu.sakura.ne.jp/