アロハプログラムのメンバー限定でハワイでの勉強会が開かれました。

ハワイ州観光局が提供しているアロハプログラムに立ち上げ当初からお手伝いをさせていただき早5年が経ちました。すでにウェブサイトでの講座や、ウェブセミナー、日本での検定用セミナーなどが開催されていますが、昨年、ハワイで初めてのオプショナルツアーが開催されました。中級、上級者の方が対象でハワイに集合ということでツアーが無料で提供されました。普段では行けないツアーなどもあり、何人かの方は毎日ツアーに参加される方もいらっしゃいました。

皆さんと大きなバオバブの木の前で

皆さんと大きなバオバブの木の前で

ホノルルのダウンタウンにある植物園の歴史は、カメハメハ3世のカラマ王妃が若いドイツ人の医師でもあり植物学者でもあった、ウィリアム・ヒルブランドに植物園の一部を貸した1853年から始まります。ヤシ園の手前当たりが「奥のテラス」と呼ばれ、ヒルブランド夫妻はそこに家を建て、20年間住んでいました。巨木はその当時に植えられたものです。その後、土地はキャプテン・トーマス&マリー・フォスターに渡りましたが、夫妻が亡くなった後は5.5エーカー(約22,000㎡)がホノルル市に遺贈されました。ハロルド・ライアン博士を初代の園長とし、1931年に植物園として一般公開されました。ハワイの島々の中で初めての植物園となりました。

その後ライアン博士により1万種もの新しい植物をハワイに輸入され現在に至ります。見所は、ココヤシのコレクション、ライアン博士の洋ラン園、奥のテラス、有用植物園、先史植物の小庭、ハワイの特別保護樹などです。

園内には木の名前の札が付いているので、植物の種類を楽しむことができますが、やはり植物をよく知っているガイドなどがいればもっとよく植物についての知識を得ることができます。

フォスター植物園

フォスター植物園

植物園を入るとすぐに1913年にマリー・フォスターにより植えられた菩提樹の木があります。これは2500年以上前にインドのブッタガヤでお釈迦様が悟りを開かれた菩提樹の木の子孫だそうです。

菩提樹の大きな木を左に行くとライアン博士の洋ラン園があります。そこにプルメリアのルブラ種があり、ヒルブランド博士が1860年に初めてハワイに持ち込みました。奥のテラスの方へ入って行くと、タマリンド、カポック、カウリ、トラベラーズツリーなど大きな木が続きます。
ヤシのガーデンにはハワイ固有種の唯一のヤシ、ロウルはロウレヤーナ種で樹齢100年を超えています。葉は扇形をし、横幅だけでも60cmあります。
タリポット・パームというヤシの一種でスリランカとインドの原産があり、かなり大きなヤシであり、花と実ができるまで約75年かかります。一度花が咲いて実がなると死んでしまいます。ヤシの種類の中では一番大きな花を付けます。
ジャックフルーツ、ココデマー、ブラジル・ロウルなど珍しいヤシも見る事ができます。

樹齢100年を超えたロウル

樹齢100年を超えたロウル

ロウルを見てから少し下っていくとソーセージの木、タロ、アラビアコーヒー、パンノキ、マカダミアナッツ、ククイ、ノニ、ザクロ、コットンの木、シナモン、カカオ、オールスパイス、クラウンフラワー、ウコン、パパイヤ、パッションフルーツなど南国ならではの植物をたくさん見る事ができます。
ハワイアンキルターならやはりマカダミアナッツやウル、クラウンフラワーなど素材になるものは必見ですね。

キャノンボール・ツリー(ホウガンノキ)はブラジルナッツの仲間で 花が幹から咲いていて、エキゾティックな色と甘い香りがします。名前の由来は大きな砲丸よりついており、木の下には落ちる果実にご注意と書いてあるので、本当に注意しましょう。

ホウガンの木

ホウガンの木

ホウガンの木の花

ホウガンの木の花

入り口の方へ歩いて行くと、バオバブ、シャワーツリー、リグナム、ヴィタイ、テベスドームヤシなどがあり、見た事のあるような大仏様が見えてきます。この大仏様は1985年にハワイ官約移民100周年を記念して、神奈川県知事からハワイ州へ送られたものだそうです。またこの土地にはハワイで最初の日本語学校が建てられた歴史があります。真珠湾攻撃の余波で子供達が犠牲になった地でもあります。

園内の記念碑

園内の記念碑

この植物園の後は、ダウンタウンの町並みを見ながら、レストランでのアフタヌーンティーをいただきました。みなさん意見交換会になってとても楽しかったです。このようなツアーをまた今年もアロハプログラムでは企画していくようなので、前回参加できなかった方、今年も楽しみにしててくださいね!
レストランはイオラニ宮殿の近くでしたので、お庭を少し散策し、説明させていただきました。次回はイオラニ宮殿のツアーなども楽しいかもしれませんね。
ご参加くださった方々、ありがとうございました!

アフタヌーンティ

アフタヌーンティ

イオラニ宮殿の前で

イオラニ宮殿の前で

この日だけは青空が見えました!

この日だけは青空が見えました!

フォスター植物園はダウンタウンにあり、ワイキキからもバスやタクシーなど20分ほどで行ける場所です。また園内は舗装された道が多いので、1時間半くらいの散策で楽しめます。園内は大きな木が多く陰があり、ハワイの気持ちよい風を肌で感じ取る事ができます。トレッキングと考えずにふらっと立ち寄るには絶好の植物園です。

Foster Botanical Garden
50 North Vineyard Blvd.
Honolulu HI 96817
Tel: 808-522-7066
入場料:$5
時間:9時~16時
休み:クリスマス、元旦

By アン

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筆者プロフィール

藤原小百合アン
藤原小百合アン
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2010年スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)にてキルト展を開催。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。2012年7月、電子本「キルトストーリー」を発売。2012年9月、スパリゾートハワイアンズへ、フラガール・フレンドシップキルトを寄贈。2013年11月より、イオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを開始。2021年7月には誠文堂新光社より「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」の増補改訂版を発売。ハワイ、日本での展示会やレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。ハワイ在住34年目。

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