ハワイ最大の都会であるホノルルは、最多の火山を持つ街でもあります。オアフ島はハワイ諸島のその他の島と同じく、上昇してきたマグマが地上に噴出して多数のクレーターが誕生しました。

コオラウとワイアナエ

最初にコオラウ・カルデラが出現し、次にワイアナエ・カルデラが出現してコオラウ・カルデラを半ば覆いました。地図に線を描くとわかるように、かつては巨大なカルデラが存在していたのです。

コオラウカルデラとワイアナエカルデラ

コオラウカルデラとワイアナエカルデラ

2つの巨大火山は相互に巨大な力を出し合い、その副産物として多くのクレーターが誕生し、活発に溶岩を噴き出していました。ホノルルの街のそこかしこにあるクレーターはそのときの名残です。

ホノルル市内のクレーター群

ホノルル市内のクレーター群

ダイヤモンドヘッド

なかでも良く知られているのはダイヤモンドヘッドでしょう。カイマナヒラという名も知られていますが、これは英名をハワイ語読みしただけのもので、本来の名はレアヒ(マグロの頭)という意味です。山頂付近の形が遠目にマグロの頭のように見えるからという説もありますが、おそらく漁をする際にこの山の頂に登って魚群を確認したことが語源です。

ダイヤモンドヘッド

ダイヤモンドヘッド

 

ココヘッド、ハナウマ湾、ココクレーター

東方には3つのクレーターが重なります。西から順に、ココヘッド、ハナウマ湾、ココクレーターです。ココヘッドは中腹に2つのクレーターが残されており、そのうちのひとつはイヒイヒラウアーケアと呼ばれます。語源は「イヒイヒ(という植物)の大きな葉」という意味です。

ココヘッドの東隣にはハナウマ湾があります。クレーターは半ば海面下に沈み、その半分が湾として残されています。さらにその隣にはココクレーターはハワイ名をコヘレペレペと言います。かつて火の女神ペレが自分の女蔭(レペレペ)をここに放り投げてクレーターを作ったという説に由来します。ちなみにココとは血を意味し、かつてサメに襲われた人がここに逃げ込んだという説があります。

ココヘッド、背後にハナウマ湾が広がる

ココヘッド、背後にハナウマ湾が広がる

ハナウマ湾

ハナウマ湾

ココクレーター

ココクレーター

パンチボウル

パンチボウルはハワイ名をプーオワイナと言います。ここはかつて祭壇だった場所で、重要な儀式では人を神に捧げました。今日では戦没記念地として墓地が広がります。

パンチボウル

パンチボウル

カアウ

カアウはコオラウ山系のパロロ渓谷近くにあるクレーターです。半神マウイがカウアイ島の大岩をここに落とした跡という伝説があります。

カアウ・クレーター

カアウ・クレーター

 

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筆者プロフィール

近藤純夫
カワラ版のネイチャー・ガイド。本業はエッセイスト兼翻訳家だが、いまはハワイの魅力を支えている自然をもっと知ってもらうことに力を注ぐ。趣味は穴潜りと読書。ハワイ滞在中も時間をやりくりして書店通いをしている。